【毎日書評】できる人は当たり前にやっている。仕事をスムーズに進める3つのルール
『できる人の最強ルール101 The Rules of Everything』(リチャード・テンプラー 著、桜田直美 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、全世界で累計300万部を超えるベストセラーとなった『THE RULES~』シリーズ10冊のなかから、“一冊につきもっとも重要な10種のルール”をまとめた厳選版。 ちなみにそれらは、世界各国の読者投票によって選ばれたもの。つまり本書を読めば、読者からの評価に基づく「最強のルール」の全体像をつかむことができるわけです。 なおルールを実践していくために著者のおすすめしている方法は、以下のとおりになるようです。 まず本を通して読み、自分がこれを実践したら大きな変化につながると感じるルールを5つ選ぶ。あるいは、最初に読んだときに特に印象に残ったルールや、手始めにやってみるのにちょうどいいと感じたルールでもいい。そして、選んだルールをノートに書き出す。 今から2週間、この5つのルールをとにかくやってみる。 ルールの行動に慣れ、無理にやっている感じがなくなるまで続ける。これでルールが習慣になる。 次に、またルールを5つ選んで同じようにやってみる。新しく挑戦するルールを、またノートに書き出そう。(「本書の使い方」より) とはいえ上記のように、これはあくまで著者がおすすめしている方法にすぎません。事実「ルールを実践していく方法は、自分で決めて問題ない」という記述もあります。 つまり最終的に、使い方は読者次第だということ。そのため柔軟に活用すれば、実践できそうなルールの幅はさまざまな方向に広がっていきそうです。 きょうはChapter1「できる人の仕事の仕方」のなかから、3つのポイントを抜き出してみたいと思います。
自分の存在感を際立たせる
慌ただしく働いていると忘れてしまいがちではあるものの、オフィスで自分の存在感を際立たせるのは大切なことだと著者は主張しています。自分の手柄をまわりに気づかせることによって初めて、一目置かれるようになり、ひいては昇進のチャンスにもつながるからです。 もし、あなたがたくさんの雑務をこなしていたとしても、周りの人も同じように雑務をこなしているなら、それ以上がんばったとしても、人目にとまることはない。 しかし、ここで職場全体の能率を上げる方法をレポートにまとめて上司に提出したら、とたんに一目置かれる存在になれる。(22ページより) 上司にいわれたからではなく、自主的にレポートを提出する──。これは、自分の存在に気づいてもらうための有効な方法だということ。加えてそれは、自分の頭で考え、臨機応変に率先して行動できる人間だということを示す証拠にもなるわけです。 ただし、あまり頻繁に行うのはかえって逆効果でもあるようです。そこで、失敗しないために次のルールを守ることが大切だといいます。 ・レポートを提出する回数を制限し、本当に役に立つレポートだけを提出する。 ・作成者である自分の名前をきちんと、目立つように書いておく。 ・直属の上司だけでなく、その上の上司にも見えもらえるようにする。 ・独自のレポートでなくても、役立つ情報や記事を選んで提出するだけでもいい。 (23ページより) もちろん、気づいてもらえる存在になるための最良の方法は、自分の仕事を誰よりもうまくこなすこと。そして、仕事をうまくこなすための最良の方法は、仕事にすべてを捧げること。これしかないと著者は断言しています。 社内政治やゴシップ、駆け引き、無駄な時間つぶし、人づきあいなどは仕事の本質ではありません。だからこそ、本当の仕事にだけ集中していれば、他の同僚たちをリードすることができるというわけです。(22ページより)