34歳、ゲレンデを買う──新車の輝きを取り戻せ!(Vol.11)
29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからメルセデスの“ゲレンデ(Gクラス)”を購入することに。はたして、“跳ね馬”の次はいかに? 【写真を見る】輝きが戻ったわがゲレンデ(16枚)
黒は違いがわかりやすい!
購入したG350ブルーテックは、降雨後のシミ汚れがヒドい。ボディカラーが濃色(ブラック)ゆえ、目立つのだ。 経年劣化だから仕方ないものの、ちょっと汚い。そこで、新車当時の輝きを取り戻し、それを維持するため、ボディコーティングの施工を決めた。 今回も、KeePer技研に依頼した。過去、所有した2台のフェラーリにも施行し、高い効果に満足したからだ。今年9月に直営124店舗目としてオープンした「キーパーLABO品川店」へと向かった。 施工プランは迷わず「EXキーパー」とした。キーパーブランドの上級メニューゆえ、値段は少々張るものの、圧倒的な艶と撥水力、そして3年間ノーメンテナンスが嬉しい。 ちなみにKeePer技研では、EXキーパーのさらに上をいく「TREXキーパー」を開発している。超高密度の防汚高輝度レジン被膜「リキッドエレメント」などの採用し、かつてない輝きを実現すると謳う。その分、値段はE Xキーパーの約2倍で、¥470,000(LLサイズ)! 効果はスゴいのかもしれないが、さすがに予算オーバーなので諦めた。 今回選んだEXキーパーのプレミアムは、ボディに加え、トランク・ボンネットの裏・ドアの隅やヒンジなど、外から見えない塗装がされているあらゆる部分にEXキーパーを施工する。さらに、超撥水ウインドウコーティング、ホイールコーティング、レンズコーティング、無塗装樹脂パーツキーパー、除菌・車内清掃も加わる。価格は、ゲレンデの場合で¥247,400だ。なお、ゲレンデの場合、スペアタイヤカバーにもコーティングを施工するそうだ。 「ゲレンデは水が垂れる箇所や凹凸が多いため、汚れやすいです。また、ブラックのボディカラーは熱を持ちやすく、雨水がすぐ乾いてしまうため、シミ汚れがつきやすいです」 施工担当の荒将士さんが教えてくれた。もっとも、EXキーパー施工後は、改善されるというから楽しみだ。 まずは洗車。水垢や古いコーティング剤を落とし、一度、“すっぴん”の状態に。もう1度、洗車を行うが、この時使うのが「純水」。水道水の中に溶け込んでいるナトリウムやマグネシウムなどをほぼ除去したピュアな水で、透明感のある仕上がりが特徴だという。 ボディを拭き上げ、細密研磨を行いコーティング。EXキーパー専用のケミカル剤を使う。ボディー上に「プライマーガラス」と、圧倒的な厚みを持つ「VP326」を施工した。コーティング後、約6時間で硬化する。 夕方、キーパーLABO品川店に戻るとピカピカのわがゲレンデが鎮座していた! もはや新車レベルと見紛うほどの輝きだ。訊くと、黒いボディカラーの方が違いは出やすいという。ボディを触ってみるとツルツルで気持ちがいい。前回以上に、¥247,400の価値を実感した。漆器のような美しさ……という例えも納得。 車内も美しい。隅々まで車内清掃が施されている。 シート表皮は専用のケミカル剤で汚れと艶出しを行い、インパネまわりはコクピットクリーナーで汚れを落とすそうだ。 なお、降雨後の差は歴然だった。ホコリなどの汚れも水とともにはじくため、まるで洗車をしたかのようにクルマが綺麗になる。それゆえ水シミも防ぐ。雨が降る度、クルマが綺麗になるのだから不思議だ。 ¥247,400で外観だけでも新車当時に戻ったと思えば、それほど高くないような気がした。それだけ差があったのだ。乗る度に、「あーよかった!」と、思う。しかも降雨で綺麗になるから、雨天時、積極的に乗りたくなってしまった。 今の時期、雨は冷たいが、(クルマは)濡れていたい……森高千里の『雨』(1990年)が良く似合う。
写真・安井宏充(Weekend.) 文と編集・稲垣邦康(GQ)