年金受給者に「住民税非課税世帯」が多い理由は?医療費や介護費用で大きな優遇
住民税非課税世帯の優遇措置
住民税非課税世帯に該当すると、どのような優遇措置があるのでしょうか。順にみていきましょう。 ●国民健康保険料・後期高齢者医療保険料が安くなる 保険料は住んでいる地域によって異なります。住民税非課税世帯は、均等割が7割、あるいは5割に軽減されるなど、多くの自治体で減免措置を設けています。 ●介護保険料が安くなる 介護保険料は、自治体ごとに異なる基準額をもとに、一人ひとりの収入に応じて段階的に保険料が設定されます。 住民税非課税世帯は基準額よりも低く設定されます。 ●介護保険施設の費用が安くなる 住民税非課税世帯に該当すると、介護保険施設やショートステイを利用する人の食費や居住費が軽減されます。 ただし、軽減を受けるには、年金収入だけでなく、預貯金額の基準も満たす必要があります。 たとえば、住民税非課税世帯で年金収入が120万円超の場合は、持っている預貯金などが単身で 500万円、夫婦で 1500万円以下でないと軽減を受けることができません。 ●高額療養費制度の限度額が下がる 住民税非課税世帯になると、医療機関などの窓口で支払う自己負担額の1ヵ月の世帯ごとの上限額が70歳未満の場合は3万5400円に、70歳以上の場合は2万4600円になります。 さらに70歳以上で年金収入が80万円以下の場合は1万5000円が上限額となります。 これによって医療費の負担が軽くなります。 ●高額介護サービス費の限度額が下がる 介護保険が適用される介護サービスの自己負担額が高額になった場合、申請によって自己負担限度額を超えた分の支給を受けることができます。 住民税非課税世帯は、1ヵ月の介護サービスの利用料の負担限度額は2万4600円(世帯)になります。 さらに年金収入が80万円以下の場合は1万5000円(個人)が負担限度額となります。 これによって介護サービス費の負担が軽くなります。