太陽観測機「SOHO」の観測で発見された彗星が5000個に到達!
■SOHO経由で発見された彗星が5000個目に到達!
2024年3月25日、サングレーザープロジェクトに参加しているHanjie Tan氏が発見した彗星が、SOHOの撮影画像から見つかった5000個目の彗星となりました。Tan氏は中国出身で、現在はチェコ共和国のプラハで天文学の博士号取得を目指しています。サングレーザープロジェクトには13歳のころから参加しており、最年少の彗星発見者の1人に数えられている人物です。 ただし、サングレーザープロジェクトはTan氏に祝意を表しつつ、このマイルストーンが多くの人々の協力によって達成されたことを強調しており、サングレーザープロジェクトに関わった全ての人々が誇るべき成果であると述べています。 仮称として「SOHO-5000」と名付けられた5000番目の彗星は、単にキリの良い数字を得られただけでなく、別のユニークな点もあるようです。それは、軌道の性質から「マースデン群 (Marsden group)」に属すると推定された点です。 サングレーザーは公転軌道の違いをもとにいくつかのグループに分けられますが、その約83%は「クロイツ群(Kreutz group)」に属しています。クロイツ群は極めて数が多く、紀元前371年に分裂が観測された彗星の破片に由来するのではないかと考えられています。実際、1000番目から4000番目までのキリの良い数字の彗星は全てクロイツ群でした。 一方、マーズデン群はSOHO経由で発見された彗星の約1.5% (約75個) しか属していない珍しい彗星のグループで、96番周期彗星「マックホルツ彗星」に関連しているのではないかと考えられています。偶然とはいえ、ちょうど5000番目の彗星がはかなり珍しいグループの彗星に割り当てられたことになります。 なお、SOHOは2025年12月31日に運用終了が予定されており、1000個の彗星を発見するのに5年ほどかかっていることを考慮すると、1000個ごとのマイルストーンはこれが最後となるかもしれません。