JR函館線の貨物列車脱線事故を受け、鉄道各社にレールの緊急点検指示…国土交通省
北海道森町のJR函館線で発生したJR貨物の列車脱線事故を受け、国土交通省は19日、現場と条件が類似し、レールの腐食が進んでいる可能性が高い踏切について、全国の180の鉄道事業者などに緊急点検を指示したと明らかにした。
事故は16日未明、運行中の貨物列車(21両)の貨車5両が脱線した。付近のレールに著しい腐食の進行が確認され、線路を保守・管理するJR北海道は、腐食によるレールの破断が原因とみている。
これを受け、国交省は▽海岸沿い▽カーブの傾斜で水がたまりやすい▽設置から長期間が経過――など、今回の現場に似た踏切のレールを点検した上で、1か月以内に報告するよう、各社に求めた。指示は18日付。
JR北が9月12日に脱線現場で実施した超音波エコー検査では、レールの一部に腐食の発生を示す結果が出ていた。だが、レールは踏切の敷板に覆われていたため、板の上からの目視確認にとどまっていた。
JR北は「レールの頭部(上部)と底部(接地部)の超音波検査に異常はなく、今回のようにレール腹部の腐食が先行した例はないため、損傷を予見していなかった」と説明している。