【夏休み特選】時間を無駄にしない! 絶対面白いサスペンス映画10選!
変幻自在、キャシー・ベイツの存在感に唸る!『黙秘』
ゆっくりと過ごしたい夏休みに、映画を見てリフレッシュするのはいかが? とはいえ、観終わった後に「時間を無駄にした……」という思いはしたくないはず。そこで絶対に面白いサスペンス映画10本を厳選! これなら費やした時間と同等以上の感動に満たされるはず! 米メイン州の屋敷で死亡事件が発生。現場で鈍器のようなものを振り上げる姿を目撃されたメイドが容疑者として浮上する。その中年女性は、かつて夫が死亡した際も容疑をかけられており……。あらゆる状況から見て彼女が怪しいのは明らかだが、演じるのが『ミザリー』で強烈なイメージを残したキャシー・ベイツというのも、先入観を強める一つの大きな要因だ。その結果、我々は物の見事に騙され、ラストではまさかの胸揺さぶる熱い感動すら押し寄せてくるのだから、これは本当に油断も隙もない映画である。 スティーヴン・キングの原作小説を脚色したのは、有名劇作家の息子であり、当時脚本家として駆け出しだったトニー・ギルロイ。今や『ボーン』シリーズの脚本やSWドラマシリーズ『キャシアン・アンドー』のクリエイターとしても知られる彼だが、本作ではフラッシュバックを巧みに使い、過去と現在をスリリングに併走させながら女性たちの人間ドラマをより深みあるレベルへ昇華させている。いま見直しても語り口に無駄がなく、非常に“技あり!”な一本だ。
寒さは判断力を失わせる?『ファーゴ』
米ミネアポリスで、多額の借金に悩むカーディーラーが、妻の偽装誘拐を画策。チンピラコンビを雇い、彼女を誘拐させて、富裕な義父から身代金を巻き上げようとする。ところがチンピラコンビが犯行中、目撃者らを殺害したことから計画が狂い始めた。妊娠中の保安官マージは丁寧な捜査で、少しずつ事件の真相に迫っていく。一方、カーディーラーやチンピラコンビは不測の事態によって追いつめられ、図らずも惨劇を広めてしまう。 米映画賞を席巻した、鬼才コーエン兄弟の秀作サスペンス。舞台となるミネアポリスは、真冬には気温が氷点下より上がることが稀で、当然降雪量も少なくない。そんな極寒の中で物語は展開。雪原に死体が転がり、真っ白な大地は鮮血に染まる。犯罪に手を染めた人々が暴走する物語は、緊張感とブラックユーモアに彩られ目が離せない。彼らを狂気に追い込んだのは、それぞれの欲望に加え、判断力を失わせる寒さが影響しているのかもしれない。