《ブラジル》「俺は強盗だ!」即座に射殺=叔母と甥が自宅で正当防衛
サンパウロ州沿岸グアルジャ市で22日午後、家に押し入った強盗が、住民の叔母と甥に即座に射殺される事件が起こった。家族は合法的に2丁の銃を保有しており、犯人が侵入して1分以内の素早い反応だった。正当防衛のもとに事件の検証が進められていると、24日付G1サイトなどが報じた。 G1が入手した防犯カメラの映像によると、2人の賊がバイクに乗り、ジャルジン・ヴィルジニア地区ギリェルメ・サレーラ街にある被害者宅に到着した。映像では、殺された21歳の犯人が家に押し入る間、もう一人の賊がバイクを停車し、周囲を監視しているのが確認できる。その直後、銃声を聞いた相棒は現場から逃走した。 事件当時、45歳の叔母と23歳の甥は居間にいた。武装した賊が突然ドアの前に現れ、「俺は強盗だ!」と言いながら押し入り、叔母に銃を向けたという。 叔母は即座にテーブルの上にあった銃を手に取り、犯人に発砲。甥も同じく銃を抜き、賊に向かって発砲したという。 警察の捜査によると、賊が侵入してきたとき、銃は居間のテーブルの上にあったため、被害者たちは行動しやすかったという。 犯罪学研究所(IC)が現場に呼ばれ、鑑識のために武器を回収した。家族は、45口径を1丁、9ミリを1丁の2丁の拳銃を所持していた。犯人も357口径リボルバーを所持していた。 家族側の弁護士ルイス・フェルナンド・メンデス・クーニャ氏は、強盗が家に侵入し、犯行を宣言したため、家族が正当防衛の立場から銃を抜いたと述べた。家の中には、叔母と甥だけでなく他の家族の者もいたという。 事件を担当するワグネル・カマルゴ・ゴウヴェイア警部は、一家は銃器銃砲所持許可を取得しており、合法的に所持していたと強調した。射殺された犯人は、窃盗、収賄、拳銃不法所持、家庭内暴力で前科があることを明らかにした。 保安局(SSP-SP)によると、この事件は強盗未遂、正当防衛、殺人として登録され、捜査が進められている。 ブラジルの武器統制法(連邦法第10・826号)によると、銃の所持(Posse de arma)は自宅や職場での銃の所持登録が許可されているが、持ち運びは禁止であり、外出時の銃携帯(Porte de arma)は一般市民には許可されず、軍隊員、警察官、私設警備員等の公共の安全を担うプロフェッショナルに限られる。 コレクター・射撃者・狩猟者(CAC)については、特定の条件を満たした個人が古い歴史的な銃器の収集、射撃クラブでのスポーツ射撃、または合法的な狩猟を行うために許可されるなどと、銃器の使用は厳密に規制されている。 違反すると罰則は軽い場合で1~3年の懲役と罰金、重い場合で6~12年の懲役と罰金が科される可能性がある。