【インタビュー】オリックス・茶野篤政 前だけを見続けて「後悔することもありますけど、だからと言って変えちゃダメなんです」
肝に銘じた積極性
オリックス・茶野篤政[外野手/1年目/23歳]
打線に新風を吹き込んでいるのが、育成選手として入団したバットマンだ。開幕直前に支配下登録されると開幕スタメンを勝ち取り、5月28日時点でリーグ2位タイの48安打をマーク。好結果の背景には揺るがぬ確かな思いがある。 取材・構成=鶴田成秀 写真=石井愛子 スラスラと自分の考えを口にする。果敢に攻める姿勢は、自分と向き合い、自分を知っているからこそ。臆することなく挑み続けるルーキーが胸に刻むのは、「後悔しない」ことだ。かつて味わった悔しさが、積極果敢に前を見ることの大事さを教えてくれた。だから、攻め続けることはやめない。安打量産は、そんな思いが呼んだものでもある。 ──開幕からスタメン起用が続きますが、この2カ月を振り返っていかがですか。 茶野 実力はまだまだだな、と。その中でも、何とか食らいついていけているのかなって思っています。キャンプのときは、想像もしていなかった2カ月間で。ホント想像以上です。 ──想像以上は結果の面でも? 茶野 いや、結果とか内容以前に、育成での入団でしたし、本当にこんなにすぐに試合に出られると思っていなかったので。それに、結果が良いか悪いかは、まだ分からないですし、結果は最後に見るものだと思うので。今、言えるのは『何とか食らいついていけているのかな』と。 ──とはいえ、5月28日時点でリーグ2位タイの48安打の好成績。この数字を自己分析すれば、どんな答えになりますか。 茶野 そこも食らいついての結果だと思います。こんなに早く一軍の試合に出られることは考えていなかったとはいえ、もちろん打席に立つ以上は、毎打席、毎打席、結果にこだわってやっています。常に積極的に初球から狙っていて。手を出せないときもあるんですけど、手を出す(バットを振る)ことを心掛けているのが、ヒットが出ている要因かな、と。 ──意識していても、時には消極的になってしまうこともあるのでは。 茶野 ありますね。状態が悪くなると、どうしても。でも、終わったことより次。常に振っていくことを考えて。振れなかったことがあっても、そこを考えるのではなくて、『次は振っていく』と、積極的な意識はブレずに持ち続けていくことが大事だし、心掛けていることなんです。そう思うことで、ヒットが出ない日が続いても、状態を少しずつでも戻せているのかなと思うんです。そういう意味でも『何とか食らいついている』感じなんです。もちろん、意識が消極的になっているときは反省することもありますけどね。 ──積極性を欠いたと反省するのは、試合後に? 茶野 試合が終わってからのときもありますし、試合中でも、打席の中でも。でも・・・
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週刊ベースボール