Yahoo!ニュース

速報

渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆　死去　98歳

2分前

日本製鉄、デンソー、積水ハウスの株価に上昇の兆候…！2024年の「日本株」を検証して見えた！「成熟」＆「キャッシュ・リッチ」が2025年に発揮する「ヤバすぎる威力」

配信

現代ビジネス

2024年を振り返って見えてくる「来年上がる株」

photo by gettyimages

今回は、2024年を振り返り、2025年に日本株を制するであろう銘柄を吟味していきたい。 【一覧】2025年を見据えて仕込む…渾身の30銘柄はこちら！ 2024年を振り返れば、年前半には日経平均株価が史上最高値を更新し、上場企業の収益も過去最高益を記録するなど、良好な市場環境に恵まれた年であったといっていいだろう。 年後半からは日本株は大きな混乱に陥り、失速後に方向感の乏しいレンジ相場が継続しているが、それでも日経平均株価で3万円台の後半を維持できているのは日本企業の堅調な業績のみならず、株価に対する意識の変化によるところが大きいと思われる。 特に、昨今のコーポレートガバナンスの強化に伴う投資家との対話の流れや、昨年来つづく東証の資本効率性の改善の議論により、上場企業は資本の有効活用への外的な圧力を強く受けるようになった。 もちろん、受動的ではなく能動的にそれらに対応することで日本株市場は高値を維持する原動力となり、実際に自社株買いも過去最高額に達しているうえ、配当額も足元で急増している。 次ページの図でそれがよく分かる。 図:TOPIXの一株当たり配当額と配当性向の推移 配当性向も35％前後で一定していることから、ただ単に最高益を更新したという事実だけではなく、儲かった分だけしっかりと株主還元への意識を強く持って投資家と向き合ってきた結果が数字として出たと評価できる。 周知のように、自社株買いも増配も、株価の上昇にとって大変効果的な手法であり、これが日本株市場の下値の堅さを担保している要因のひとつであるのは間違いないだろう。 そして、この資本効率性の改善に絡んだ企業の動きの変化は、何も株主還元に限った話ではない。 好業績によって積み上がった資金を消化するための、株主還元の強化と並ぶもうひとつの代表的な手法が、事業投資の拡大だ。

増えつづける「事業投資」が意味すること

出所:QUICK

上場企業が投資家にコミットするのは、多くの配当を支払ってインカム・ゲインを増やすか、強い利益成長を達成して株価を上昇させてキャピタル・ゲインを増やすかの二者択一である。このうち、後者のキャピタル・ゲインを最大化しうるのが、設備投資や研究開発費といった事業戦略に絡んだ資金の使途の拡大である。 たとえば、製造業であれば、生産能力の拡大のための工場の新設や効率化のための新たなロボットの導入などに多くの資金を投じることで、さらなる売上高および利益の成長を意図することになる。 また、新製品やサービスの開発のために研究開発に力を入れることで、新たなヒット商品や他社との差別化などの優位性を得ることにつながっていくことになる。言ってみれば、配当や自社株買いが確実に株主へと利益を還元する「守り」の資金の使途であるならば、設備投資や研究開発費は企業そのものの成長に賭ける「攻め」の使途である。 そして、株主還元だけでなく、この「攻め」の投資金額も、足元で急増を見せていることが分かっている。 次ページの図は、東証の上場銘柄のうち、10年前から設備投資額または研究開発費のデータが継続して取得可能な企業に限定し、年ごとの合計額の推移を見たものである。 つまり、銘柄の入れ替わりは関係なく、10年前から現在まで設備投資額と研究開発費がどのように増減してきたのかを純粋に比較できるデータだ。 コロナ禍の2021年に足踏みを見せたあとは、急速にその金額を伸ばしていることが分かるだろう。前期は、両者ともに過去最高の数字だ。 図:東証上場銘柄の過去10年間の設備投資額、研究開発費の推移 この数字は名目値であるため、円安の進行や国内のインフレの進行による見かけ上の増加もあるだろうが、それでも2023年は両者ともに10％以上、2024年は設備投資額が15％で研究開発費が6％という強い伸びを見せていることから、実質的にも攻めの投資が拡大を見せていることは明らかだ。 こういったトレンドが続けば、投資を増加させた結果として頭一つ抜けた成長を達成する銘柄が出てくる可能性は高いといえるだろう。

次ページは：キーワードは「成熟」と「キャッシュ・リッチ」

1/2ページ

【関連記事】

生活危機