日本製鉄、デンソー、積水ハウスの株価に上昇の兆候…!2024年の「日本株」を検証して見えた!「成熟」&「キャッシュ・リッチ」が2025年に発揮する「ヤバすぎる威力」
キーワードは「成熟」と「キャッシュ・リッチ」
しかし、一方で、足元の設備投資および研究開発などの活発化は、リスクも大きい。 世界的に景気が良好であるならば、それによって需要は拡大を続け、新製品が開発されるまでの時間的な猶予も十分に確保できるだろう。しかし、周知のように、現在欧州は深刻な景気後退に陥りつつあり、隣国の中国も長引く経済の低迷から抜け出せないままでいる。そして、頼みの綱である米国の景気は堅調であるものの、トランプ氏の大統領再選に伴う保護主義の関税強化により、その恩恵を十分に享受することは難しい。 加えて、いくら金が余っているとはいえ、必要のない投資を無理やりすることはただの無駄な浪費でしかない。日本と米国の株式市場の最大の違いは、成長市場なのか、成熟市場なのかという点にある。 巨大な最先端のテック企業を多く抱える米国は、その競争原理から設備投資や研究開発を活発化させて急成長を遂げることが生き残りのための生命線となるが、日本は自動車や通信などに代表されるように、飽和状態の業界の中でいかにマーケットシェアを獲得していくか、企業を安定的に維持していくかという成熟産業が多くを占める。 このように、世界的に経済が不安定化する局面において、成熟した市場の環境下では、成功するが分からない、そして本当に必要なのかが判然としない事業投資の拡大をすることが、真に適切な資本効率性の改善なのかが疑わしい。 とはいえ、利益を内部留保として放置させておくことは、株主が許容しない時代になってしまった。 つまり、逆に考えれば、大きな設備投資も研究開発も必要ない状態にあるが、手元資金が一方的に積み上がっている企業は、株価にとってリスクが低くリターンの高い「株主還元の強化」へと活用せざるを得ない状況に追い込まれることになる。 そのキーワードは「成熟」と「キャッシュ・リッチ」である。ふたつのキーワードから銘柄を選んでいけば、どうなるか。実は、「日本製鉄」、「デンソー」、「積水ハウス」のような大型銘柄から、隠れた優良企業が浮かび上がるのである。 後編『「日本製鉄」「デンソー」に秘められた日本株の実力…!2025年を見据えて仕込む「珠玉の30銘柄」を一挙公開する!』で、「成熟&キャッシュ・リッチ」の銘柄を吟味し、珠玉の30銘柄を選んでいこう。
大川 智宏(智剣・OskarグループCEO兼主席ストラテジスト)
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