JR東日本、Suicaを10年間で順次進化へ、インバウンド向けアプリは2025年3月から、改札ウォークスルー計画や「ご当地 Suica」計画も
JR東日本は、今後10年間をかけてSuicaの機能を順次グレードアップし、交通、決済だけでなく、利用者の様々な生活シーンで利用できる「生活のデバイス」に進化させていく方針を発表した。中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」に基づくもの。 2026年秋頃にはモバイルSuicaアプリで、コード決済機能など新決済を提供。利用者にとって不可欠な移動、決済、地域といった様々な生活シーンで新たな体験を提供する。 2027年春頃には、首都圏(長野含む)、 仙台、新潟、盛岡、青森、秋田のSuicaエリアを統合するほか、将来的にセンターサーバー化によって、タッチせずに改札を通過できる「ウォークスルー改札」、改札機がない駅での「位置情報などを活用した改札」の実現を目指す。 2028年度には、新しくリリースされる 「Suicaアプリ(仮称)」でセンターサーバー管理型の鉄道チケットの提供を開始。たとえば、毎月3000円を払うことで、自宅最寄り駅を起点として、どの駅でも運賃が 50%割引となるサブスク商品(割引上限あり)、鉄道の日などの記念日、駅ビルやイベントでの買い物により配信される鉄道クーポンなどのサービスを始める。 また、現在、自治体との間でMaaS連携で実現している移動と地域連携ICカードを統合し、各地域に根差した「ご当地 Suica(仮称)」をつくる。具体的には、「Suica アプリ(仮称)」をベースに、マイナンバーカードとの連携することで、地域内の生活コンテンツ、サービス(地域割引商品、デマンドバスなど)、商品券や給付金の受け取りや行政サービスの利用を実現する。 このほか、訪日外国人向けには、2025年3月からの「Welcome Suica Mobile」(iOS)サービスを開始。日本に入国する前にアプリのダウンロードやチャージを可能とすることで、成田や羽田空港からの移動でJR線や東京モノレールなどの鉄道各線をシームレスに利用できるようにする。将来的には、訪日外国人向けにもウォークスルー改札や全線での Suica利用ができるように利便性向上を図る。
トラベルボイス編集部