村上和成(左)と棚橋弘至

　初代タイガーマスク（佐山聡）率いる「ストロングスタイル（SS）プロレス」のレジェンド王者・村上和成（50）が、2026年1月4日東京ドーム大会で現役を引退する新日本プロレスの棚橋弘至（47）に異例のエールだ。 【貴重写真】村上和成ー棚橋弘至で行われた金網デスマッチによる無観客のU－30無差別級選手権試合（2004年3月28日） 　かつての怨敵に「『引退する』と言ったからといって、別に引退せんでもいいんじゃない。そこに変な責任を感じるんじゃなくて（26年1月4日に）『俺、まだやりたいからやりますよ』って言うならやればいいし」と助言。 　さらに1年2か月の引退ロードでも、気負う必要はないと訴える。「一レスラーとして一試合一試合、棚橋のままいればいいんじゃない。レスラーは自由にやんなきゃ。俺を見ても自由気ままだろ？」 　平成のテロリストと呼ばれる男が突然、棚橋にメッセージを送ったのは理由がある。先日の取材で棚橋が、これまでの戦いで苦戦した選手の一人として村上を挙げたからだ。2人は2004年3月28日、U―30無差別級王座をかけた無観客の金網デスマッチで対戦。KO勝利した当時の試合を棚橋は「金網デスマッチ、無歓声で完全に自信喪失しました…」と振り返っている。 　村上は「引退ってすごい決断だと思う。ましてやプロレス界の象徴で『100年に一人の逸材』と言われた男が、そこの席を降りるのはよっぽどの決断だと思う。その男に今になって僕の名前を出されたのは、その男に大きく傷をつけられたかなと。それはそれで、プロレスラーとして良かった」。これまで見せたことのない柔和な笑みを浮かべた。