「過度な入山を抑制」富士山「吉田ルート」が7月1日山開きから予約制に 1日上限4000人中3000人
山梨県は13日、富士山の山梨側の登山道「吉田ルート」で、通行予約システムを導入する方針を明らかにした。県は今年7月1日の山開きから、登山者に通行料2000円の支払いを義務付けることを決めており、事前決済できるようにして受け付けの混雑解消を図る。予約は20日午前10時から開始する。 4つある富士山の登山道の中で、同ルートは東京からアクセスしやすいことなどを理由に、登山客の約6割が利用。昨年は13万7236人が同ルートから頂上を目指した。 県によると1日当たり登山者の上限は4000人で、うち3000人を予約枠とする。少なくとも1000人は当日、受け付けで通行料を支払えば通行可能。予約は県などが運営する「富士登山オフィシャルサイト」で前日までに行い、団体客などに対応するため1回で最大100人分まで枠を確保できる。クレジットカードかQRコードで決済し、原則として返金しない。 さらに午後4時から午前3時までの間、5合目の登山道入り口のゲートを封鎖し、通行を規制する。山小屋に宿泊予約済みの人は、規制時間内でも通行できる。 今回の措置について県は「人数規制は過度な入山を抑制する狙いがあります」と説明。「2018年の調査で、4000人を超えると登山に支障が出ることが分かりました。今回の制限はこの調査に基づいています」。例年、土、日曜が混雑のピーク。昨年の吉田ルートでは、7月16日の日曜日の3974人が最多だったが、コロナ禍前には週末に4000人を超えることがあったという。 一方、通行規制については「夜間の弾丸登山を控えていただくため」とした。山小屋で休息を取らず、夜通しで一気に山頂まで登り、御来光を見てす 山梨県の長崎幸太郎知事は「予約システムを積極的に利用し、安全で快適な富士登山を楽しんでほしい」。静岡側の登山道では通行料を求めないが、社会実験として登山計画などの事前登録システムを始める。
報知新聞社