「基本的なことを積み上げ努力する大切さ 大谷翔平が示したお手本」ローソン社長・竹増貞信
「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。 【写真】この記事の写真をもっと見る * * * この連載も年内最終回。あっという間の一年でしたね。 2024年は何といっても大谷翔平さんで始まり、大谷翔平さんで終わった。そんな一年だったと感じています。 24年シーズンは投球が無理ということがその前年にわかって、でもドジャースに移籍して、「ヒリヒリするようなポストシーズンを送りたい」と言っていたことがまさに現実になりました。しかも「50-50(フィフティー・フィフティー)」まで達成した。我々の期待を想像もつかないところまで超えていく、すごい一年でした。 大谷選手の活躍から、日々の基本的な、「小さなこと」を徹底的に繰り返し、積み上げていくということが、いつか「とんでもない大きな達成」につながることがあるんだということを実感する。そんな一年になりました。 その真摯な姿を見ていると、「まだまだやれることがあるぞ」と、突き付けられるような(笑)、そんな気もしました。単調なことをいかに積み上げて努力することが大事か。それはたとえば私ならローソンでの仕事にも言えること。大谷さんは世界中のあらゆる人へそのお手本を示したのではないかという気もします。 ローソンは24年、KDDIさんを株主として迎え、新しい経営体制に移行した節目の年でもありました。 まずは、新しい株主になられたKDDIさんのことをしっかりと理解すること。これが大きな仕事でした。いよいよ25年は、この経営体制への移行のインパクトをお客様に対してどう示していけるか。どう感じていただけるか。そこが大きなテーマになってくると思っています。 基本的なことを、自分で工夫しながらいかに積み上げていくか。大谷さんから得た学びを25年はぜひ、生かしていきたいですね。読者の皆さんが良いお年を迎えられることを願っています。 ◎竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長 ※AERA 2024年12月30日-2025年1月6日合併号
竹増貞信