ヒト・モノ・カネで見るロシアの「軍事大国化」
Eremin Aleksey / shutterstock.com
ロシアがウクライナへの侵略 を開始してから丸2年が経とうとしている。この間、戦況についてはメディアが詳しく報じてきたが、侵略を行っているロシアの軍事力がどのような状態にあるのかについては意外に報道が少なかった。もともと情報公開の限られた国であったところに来て、戦時下で情報統制がさらに厳しくなったためだろう。 ただ、北朝鮮のようにあらゆる報道や言論が国家の統制下に置かれるというところまでは至っておらず、一定の情報は依然として入手可能である（何しろ筆者が購読契約しているロシア軍の部内誌もまだ届いているくらいなので）。そこで本稿では、この2年間でロシアの軍事力がどう変化したのかを見ていくことにしたい。注目したのは、「ヒト・モノ・カネ」の3点である。 まずはヒト、すなわちロシア軍の人員充足状態についてみていくことにしよう。
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小泉悠
