三菱マテリアル、クロム・ジルコニウム系新銅合金開発。高強度と高導電率両立
三菱マテリアルは24日、高強度と高導電率を兼ね備えたクロム・ジルコニウム系の新銅合金「MZC1SH+」を開発したと発表した。同社の若松製作所(福島県会津若松市)で2025年度中の量産化を目指す。 引張強さ約670メガパスカル、導電率78%IACSと既存のMZC1(質別SH)より引張強さは約40メガパスカル、導電率は約4%向上。ばねのへたりにくさである耐応力緩和特性や繰り返し曲げた際の疲労特性も既存シリーズと同等かそれ以上で通電部材としての高い信頼性を確保した。基板同士をつなぐ形のコネクタやリレーなどの次世代自動車部品設計の自由度の向上に寄与する。 昨今xEVなどの次世代自動車の普及が進んでいる。同社ではその対応に向け、高電圧・大電流用途のリレーや端子・コネクタ用の素材として既存シリーズを供給している。今後の次世代自動車部品ではこれまで以上に厳しい条件下でも機能する金属素材が求められており、新合金でその需要に応える。