累計会員1000万人を突破する企業も…健康志向の上昇により“必須”となった食事管理アプリのさらなる台頭
食べたものを記録して利用管理をする食事管理アプリ。栄養やカロリーを把握したり、体調管理やダイエットに活用したりと、近年様々なサービスが展開されている。中でも人気を集めているのがAI食事管理アプリ「あすけん」。今年3月には累計会員数1000万人を突破し、2008年のサービススタートから順調に成長を続けている。サービススタート時から現在に至るまでの紆余曲折、今後の展望などを聞いた。 【画像】「モチベ上がる!」麗しの栄養士キャラ・未来さん、まさかのアクスタ化!?
■栄養指導の一部をDX化、BtoBから個人向けサービスへ
同サービスの運営会社であるasken社の親会社は、総合フードサービス企業である株式会社グリーンハウス。同社には管理栄養士を含めた栄養士が約2000人在籍し、栄養指導の分野に豊富なノウハウを有している。そこで「栄養士が行なう栄養指導をデジタル化することによって、よりたくさんの人の食と健康を支えられる」という考えから、2007年にasken社が設立され、2008年からウェブサービス「あすけん」がスタートした。食事を記録すると栄養やカロリーの過不足がグラフで可視化され、栄養士キャラクターの“未来(みき)さん”がアドバイスをするという基本的な設計は、この当時からのものである。 「『あすけん』サービス開始時は、40歳~74歳の公的医療保険加入者を対象に、特定健診・特定保健指導が実施されることを見越してのことでした。まだスマホはなかったので、パソコンサイトとしてリリースしました」(asken 経営管理部 広報グループ・多田綾子さん/以下同) 「あすけん」は、食事画像やバーコードを読み取るだけで、食事のカロリーや栄養素が表示され、その人に合った目標摂取エネルギーや各種栄養素に対する過不足が一目でわかる。管理栄養士が監修した食事内容に対するフィードバックや食生活のアドバイスを提供することで、ユーザーが振り返り、次の食事で何を食べればよいかを知ることができる。つまり“栄養学の知見とITとの掛け合わせ”により「食事の選択力」を高めるためのサポートを行っているのだ。 管理栄養士が対面で行なっていたことを、ITを通じてより多くの方に提供したい、という想いからスタートした同サービス。 「一般的に、人生の中で管理栄養士の栄養指導を受けることは、なかなかないことだと思います。減量のサポートは管理栄養士が行なうことの一つですが、通常1人の管理栄養士が年間100人~200人にしかできません。それをITの力があれば数万人、数百万人の方に届けられると考え、サービスの実用化を目指しました」