孤独や不安の中にいる妊婦 支えて20年以上「こんなにも困っているんだ」 助産師が語る現実と支援
■“ついで”に相談できる場所
妊婦への支援外来のほかに、もうひとつ特筆すべきまつしま病院の特徴は小児科との連携だ。退院後も長くフォローアップする。 「退院後も、当院では初産婦さんの場合だと2週間健診が入るので、退院してまた数日やってみて、どんな困りごとがあるかを確認させてもらい、またすぐに1か月健診に来てもらいます。さらに、1か月健診が終わると本来は産科のフォローアップは終了し、行政のフォローアップは3~4か月の健診になるのですが、当院は一応、2か月健診も設けてまして、本当に育児のことが心配ですという方々に来てもらって、そのままワクチンをスタートしていく流れになります」 「1か月までが果てしなく長くて、そこからまた3~4か月までのフォローアップもないことに困っているお母さん方も多いので、ワクチンと抱き合わせで2か月健診を入れるとか、抱き合わせじゃなくても“2か月は2か月”で来てもらいます。ちゃんと順調に成長して発育していると確証がほしい、太鼓判をもらいたいお母さんたちもいらっしゃるので。赤ちゃんの様子も変わってきますよね。成長していくスピードが早く、月齢で困りごとがどんどん変わっていくので、それに寄り添いながら、サポートしていく体制です」 「あとは母乳外来、ベビーマッサージ、あと親と子のサロンと言って、月に2回、親子連れで集う会もやっていて、助産師、小児科医、心理士も入ってお話しできるようにしています。今、育児が孤立していると言われていますが、何か予定がないと、なかなか医療機関には来られないと思うんですよね。だから病院に集えるようなサービスを提供して、わざわざ電話で相談することでもないし、受診までしようとは思わないけれど、病院に来たついでにいろいろ聞こうかなと、気軽に相談できる場所になれたらいいなと思っています。なるべくそうした機会を増やすようにして、そうしたことが必要そうな妊婦さんには情報を提供して、こんな会もやっているから来てねとご案内しています」