ヒントはプリキュア推し活…グッズ販促へ学生が出したアイデアは? J1福岡と県内4大学がコラボ集客作戦【九産大編】
J1アビスパ福岡が、今季ホーム最終戦となる30日の浦和戦(ベスト電器スタジアム)で今季最多入場者数を目指している。 ■大学生考案「オリジナルグッズポーチ」【写真】 選手やクラブ職員のPRに加え、産学連携として県内4大学の学生も協力し、グッズ販促や若年層、県南部へのPRなどを展開している。6月16日の鳥栖戦で記録した1万5880人を超えられるか―。
■目標は今季最多入場者数
九産大(福岡市東区)の経済学部生13人は、主にグッズの販促や交流サイト(SNS)を使った情報発信を担う。クラブにとってホーム最終戦は、今季作製したグッズを販売する〝最後〟のチャンス。在庫一掃ではなく、いかにファン、サポーターの購買欲と満足度を高めるアプローチをするかが鍵になる。 目玉企画の一つが、アクリルポーチを用いた「オリジナルグッズポーチ」の製作だ。試合当日、ベスト電器スタジアム敷地内のイベント広場に設置される1回500円のガチャを2回利用したファン・サポーターに対し、無色透明のアクリルポーチをプレゼント。作業ブースも設け、ピンバッジなど、サポーター自身が持つ小物グッズをポーチに詰め込んでもらい、オリジナルグッズに仕上げてもらう。ポーチの中に選手のチェキ風サイン入り写真をランダムに入れることで付加価値をつけている。 発案した梅野留衣さん(1年)はこれまでサッカー観戦とは無縁だったが、産学連携に関わるようになって試合を観戦。「たくさんかわいいグッズがあったので、みんなに勧められる」と今回の提案に至った。アイデアの素になったのは自身の〝推し活〟。「プリキュアのかわいいグッズを集めたときに、細かいグッズをポーチに詰め込んだらかわいくなるんじゃないかなと思ってやっていました。ポーチに自分の好きな選手のグッズを詰め込もうとすることで、さらにグッズを買うきっかけにもつながるかなって」。ポーチは1個100円程度と安く、売り上げが伸びれば十分採算は取れる狙いだ。SNSを担当する学生が村上昌謙や岩崎悠人ら選手に「オリジナルポーチ」の製作体験をしてもらい、X(旧Twitter)の公式アカウントなどでPRした。 梅野さんが頭を悩ませたのは、アクリルポーチを何個用意するか。浦和戦の冠スポンサーを務め、今回の産学連携を推し進める人材派遣会社のエイジェックの担当者からは、かつて同社の企画でイベントブースに数十人しか来なかった体験を聞いた。「ポーチの在庫を余らせてしまうのが一番良くないけど、少なすぎても『参加したかったのに…』と思われてしまう。どっちを取るかすごく難しい」。悩んだ末、20日夕にアップしたPR動画には「先着100人限定特別イベント」と銘打った。
■スタンプラリーも企画
九産大の学生たちは、3000円以上のグッズを購入したファン・サポーター対象に先着1500人限定のスタンプラリーも企画した。スタジアム敷地内の3カ所にあるスタンプを押してもらう取り組みで、すべて押せばサイン入り試合球などが当たる抽選会に参加できる。さらに「幻の四つ目」のスタンプも設け、ゲーム性を高めている。 産学連携はスタジアム装飾などを担当する福岡大、若年層&女性ファン獲得を目指す中村学園大、福岡県南部エリアからの来場者アップを目指す久留米大も参加。それぞれの活動はXの公式アカウント「ベススタ埋めたいPJ」などで確認できる。(末継智章)