277Yでドラコン女王の工藤遥加 タイトルの秘密は『G430 MAX』×『N.S.プロ』シャフトの“曲がらない仕様”
国内女子ツアーの「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」の2日目の競技終了後、大会恒例のLPGA公認「朝日インテックプレゼンツドライビング女王コンテスト」が行われ、“連覇”を狙った竹田麗央の275.6ヤードを2.1ヤード超える277.7ヤードを飛ばした工藤遥加が初の女王の座を射止めた。 なんとロフト10.5度ヘッド×短尺シャフトで277Yを記録 工藤の飛ばし専用スイングもお届け【写真】 ルールはひとり2球でフェアウェイとファーストカットが計測対象。ラフは記録なしとなる。8人中1番手に登場した工藤は、1球目から267.6ヤードを記録して会場を沸かせると、2球目はキャリーで265ヤードを超えて277.7ヤードの好記録。ボール初速は70m/sをマークした。 気になるドラコン女王の使うクラブを調べてみた。ヘッドはピンの『G430 MAX』でロフト10.5度。通常試合で使うモノを同じだ。昨年から使っている女王は「これはマジで曲がらない」と絶賛する。ロフト角は10度越えと多めだが、「スピン量を増やした球筋をコントロールしたいので。正直ドラコンには向かないですよね」とコントロールしやすさを重視している。 その曲がらないヘッドに挿しているのは日本シャフトの「N.S.プロ レジオフォーミュラMB+」。先輩の藤田さいきに勧められて3週間前から実戦投入している。以前は別メーカーの6Sの45.75インチを使っていたが55Sの44.75インチと短くしている。 「このシャフトに替えてから楽に振って球が上がるようになってキャリーが伸びました。振りやすくて上がるので、(自分で)振りに行かなくても飛んでくれます。なによりマジ曲がらない」と曲がらないヘッド×曲がらないシャフトの仕様だった。 もともと飛距離に定評はあるが、今季のドライビングディスタンスは250.43ヤードで15位と、そこまで上位ではない。曲がらないクラブもそうだが、球筋もストレートからフェードとコントロール重視していることもある。 それでもドラコン女王のタイトルを取れたのは「ボールの回転軸をフックっぽくして飛距離を伸ばした」という。「普段はアドレスで軸は真っすぐ構えていますが、インサイド・アウトの軌道で振ってフック回転にするために軸を右に傾けました。自然とインサイドのアタックアングルになります」と技術を駆使してタイトル戴冠となった。 竹田麗央は「11割の力で振った」と試合中とは違いドラコン仕様のスイングをするなど、参加選手の“本気のスイング”が見られる。反面、バランスを崩して普段の試合では見られないチーピンが出る選手もいた。8番手に登場した穴井詩は280ヤード越えのショットを見せたが、2球ともラフで記録なしに終わっている。 アマチュアもここ一番飛ばしたいときほど曲がる経験はたくさんしているだろう。工藤は「いつも2球ともフェアウェイにいく」というように、曲がらないクラブで安心感を持ちながら振ることが、結果的に飛んで曲がらない結果を得られるのかもしれない。 ◇ ◇ ◇ パーオン率トップ3の竹田、岩井、小祝のアイアンスペックを調査してみると意外な共通項を発見。関連記事【パーオン率トップ3の共通点を発見! 竹田麗央、岩井明愛、小祝さくらはロフト多めの“軟鉄鍛造”アイアンを使っていた】を読めば、精度が高い秘密がわかる。