吉村維新、与党に対決姿勢のはずが… 「ベタ折れ」で党内に不満の芽
今月から新体制で再始動した日本維新の会が、早くも迷走気味だ。吉村洋文代表(大阪府知事)が自公政権との対決姿勢を強める一方、国会では与党と教育無償化の協議で合意し、政府の補正予算に賛成した。立ち位置が定まらない新執行部に、党内には不満の芽が育ち始めている。 【写真】記者団の取材に応じる国民民主党の玉木雄一郎衆院議員=2024年12月18日午後3時12分、国会内、松井望美撮影 「目立つために政治をやっているわけではない。結果が得られたことを一番重視している」。2日に就任した岩谷良平幹事長は18日の会見で、こう強調した。 「結果」とは、維新が掲げる教育無償化をめぐり、自民、公明両党と3党の協議体設置で合意したことを指す。12日午前に合意し、直後の衆院本会議で政府の補正予算案に対し賛成に転じた。16日には3党の政調会長が、来年度予算に向けて協議。教育無償化など維新の要求を盛り込むことで合意した。 だが、政府の予算編成大綱案に加えられたのは「教育無償化を求める声があることを念頭に」の一言だけだった。無償化に十分な予算が付く保証はなく、前執行部の一人は「与党にベタ折れだ。完全に足元を見られている」と突き放す。
朝日新聞社