<春を駆ける>第94回選抜高校野球 高知 戦力分析/下 「守備力」 強肩ぞろい、優れた判断 /高知
昨秋の大会通じてチームの失策数は14。「点差はあまり開かない」(浜口佳久監督)と予想されているセンバツ初戦・東洋大姫路(兵庫)との試合展開の中で、守備からリズムを作ることで攻撃につなげていきたい。 複数投手の継投策が特徴的な高知。西野啓也捕手(3年)と投手陣のバッテリーを中心とした守備は安定している。女房役を担う西野捕手は各投手の癖や投球傾向を熟知しており、投手らからの信頼は厚い。強肩で視野も広く、相手打者の分析力にも優れている。 内野守備の要となる二遊間は、二塁手の三谷高慶選手(3年)と遊撃手の小西拓斗選手(3年)が担う。「日本一の二遊間になろう」と誓い合った仲で、朝から2人で練習に励んでいるという。三谷選手は昨秋通じての失策数がゼロと鉄壁を誇る。俊足を生かしたスピード感のある動作が持ち味で、守備範囲が広い。強肩が特徴の小西選手は、昨夏の高知大会決勝・明徳義塾戦の大切な場面でイージーミスをしてしまったことを「高知に入ってから一番悔しい経験」と語る。センバツで同じ悔しさを味わわないために、一球一球を大切にした守備を心がけているという。浜口監督も「たとえミスをしても、気持ちの切り替えがとても良くなった」と評価する。 外野守備の中心は谷崎陽主将(3年)で、誰よりも声を出して試合に臨むことで、司令塔的な役割を果たす。また、松本桂弥選手(3年)や川竹巧真選手(3年)など、外野陣には強肩かつ打球判断に優れた選手がそろっている。相手チームの意表を突く返球で、勝利の流れをたぐり寄せたい。【小宅洋介】