ドジャース、ワールドシリーズ進出に”伏線”があった!? パドレスとの地区Sで見せた”劇的変化”とは…?【コラム】
流れを変えた”目覚めの一発”
これに対してベッツはGame 3でシンカー/スイーパーの横変化球を駆使するマイケル・キングに例によって外角を攻めたてられたが、6球目の若干甘く入ったスイーパーをとらえてホームランとした。 続いてGame 4では、ディラン・シースの真ん中フォーシームをとらえてホームランとした。この対応力はさすがベッツと言ったところだ。
日本のエースも“本領発揮“
このシリーズではダブル・ヘルナンデスの活躍も目立った。2人ともポストシーズンでの実績を買われてドジャースと契約した選手だ。 テオスカー・ヘルナンデスは3年契約を探したが、困難なことが分かるとポストシーズンでの活躍場所を求めてドジャースと契約したことを代理人が明かしている。 キケ・ヘルナンデスはレギュラーシーズンで大不振に陥ったが、ドジャースがあきらめずに起用し続けたのはポストシーズン77試合で通算OPS.890の実績を持っているからだ。 トレードデッドラインで獲得したトミー・エドマンも下位打線で大きな役割を果たした。表面的な数字だけを見るとシリーズで打率.235、OPS.471と物足りなく感じる。 しかし、元々守っていたセンターに加え、ミゲル・ロハス離脱後はショートとキャッチャーを除いた最も難しい2ポジションを掛け持ちするなど、追加点が欲しい場面でセーフティーバントを決めるなど、チームの要望に応える活躍をしている。 ■山本由伸のバウンスバック 同じ日本人として山本由伸の活躍にも触れないわけにはいかない。山本は投球の80%をフォーシーム、スプリット、カーブで組み立てる。Game 1の立ち上がりではフォーシーム、スプリットを主に使い、カーブをほとんど使わなかった。 ところがスプリットを地面に叩きつけたり、甘く浮いたりしてしまうなど全く操ることができなかった。1回の後半からカーブを混ぜ始めたが、既に3失点した後であり、更にはクセを見抜かれていて、3回5失点という散々な結果となってしまった。 しかし、Game 5ではフォームを修正しクセを見抜かれるのを防止。球種面ではGame 1 である程度頼れる存在だったフォーシームの割合を増やした。 全体的なコマンドも改善され、ストライクゾーンを攻めることができた。最終的には5回無失点でダルビッシュとの投手戦を制してドジャースをNLCSに送ることができた。 ドジャースはこのポストシーズンで山本の中5日ルールを厳格に適用しており、必然的に活躍の場が減ることになるが、少ない登板数だからこそ出た試合では無双の投球を今後も期待したい。
ベースボールチャンネル編集部