「やりたいことをやれる世の中に」顔に難病抱える河除静香さん 大学生との2人芝居に挑戦 富山・南砺市
河除静香さん 「1人芝居だとどっちも自分なので。でも2人芝居だと、私の書いた脚本ではあるけれども、誰かと気持ちをぶつけ合っているみたいな。改めて(セリフを)外から言われるということにちょっと響くものがありますね」 迎えた、11月16日の本番当日。 河除静香さん 「いつも一人でメイクしとること多いから、ことしは仲間がいて楽しいなぁ」 河除静香さん(演劇「華」より) 「あたしだってこの顔に生まれて、今までいろんなことがあったよ。差別、いじめ、ジロジロ見られたりさ。でもその度に、負けてたまるか、いつか見てろって」 今井真心人さん(演劇「華」より) 「羨ましいです。自分のアザのことを、そんなふうに思うなんて、私には真似できない」 河除静香さん(演劇「華」より) 「そう言わずにさ、自分の思うように生きてみなよ」 ■夫に言われた忘れられない言葉 この舞台を特別な思いで見つめる人がいました。河除さんの夫・悟さんです。 同じ職場で出会い、ことしで結婚23年目。河除さんには悟さんに言われた、忘れられない言葉があります。 河除静香さん 「ジロジロみられてつらいなら、俺が着ぐるみを着て、隣を歩く」 河除さんの夫 悟さん 「見た目いうか、外見自体はそんな気にはならなかった。こういう病気もあるんだって」 このエピソードも演目の中に描かれています。 河除さんの夫 悟さん 「自分自身の中の過去の記憶に改めて泣いたみたいな。(静香さんの)心の叫びではないですけど、聞いてほしいっていうのが伝わってきた」 そしてもう一人。河除さんの母・秋美さん。 河除さんが生まれたときのエピソードも描かれました。 河除さんの母 秋美さん 「(生まれた静香に)会ってみて目がすごいキラキラな目してたんですね。そうか私の子だな。間違いなく私の子だな。なんだ、こういうことかって。逆に静香にありがとうと伝えたいです」 河除静香さん 「お母さんのシーンとかあるじゃないですか。お母さんそんな気持ちだったんだみたいな。(気持ちを)ぐっと感じれるのが、言葉を受けてみたいなところがあって」
■誰かのためでなく、自分が行きたい道を… 10年前「見た目問題を知ってほしい」と始めた一人芝居。 いまは、それだけではない思いが芽生えてきています。 河除静香さん 「使命感もあるけれども『「使命感を持ちながらじゃないと、(見た目問題の)当事者たちは何かやっちゃいけないのか』みたいなことは思う。私は1人の人間としてやりたいことを今やりたいんだみたいな。自分のやりたいことをできる世の中になったらいいなって」 何かのため、誰かのためじゃなく、自分が生きたい道を。49歳。ようやく、歩み始めています。 河除さんは21日・22日、長野県上田市で別の学生との二人芝居を上演するということです。
チューリップテレビ
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