敏感肌でもレチノールを使って大丈夫? おすすめの使い方を専門医が解説
エイジングケアの代表成分として高い評価を得ているレチノールだが、刺激や肌荒れ、皮むけなどの反応で敏感肌の人からは敬遠されがちに。そこで、UK版『ELLE』が皮膚科医にインタビューを決行。肌トラブルを避けつつ、レチノールの恩恵を受けるための使用法や製品を選ぶポイントを探った
もしあなたが敏感肌なら、“レチノール”という言葉を聞いただけで肌が炎症を起こしそうに感じるかもしれない。もちろんこれは比喩的な話だが、実際のところ、敏感肌の人たちは、酸やピーリングなどの強力なスキンケア成分を使うことに対する懸念や噂をすでに耳にしているはずだ。さらに困ったことに、例えばレチノールのようなエイジング成分を多用することで、肌トラブルに見舞われた経験がある人も少なくないはずだ。
しかし、敏感肌でもスキンケア業界において高い評価を受けているレチノールの恩恵を受けることはできるのだろうか。答えは「イエス」。敏感肌であっても、刺激や肌荒れを引き起こさずにレチノールを使う方法をマスターすることはできる。この偉業を達成するには、慎重でよく考えられたアプローチをすれば可能なのだ。
敏感肌でもレチノールは使えるのか
敏感肌の方でもレチノールをまったく使えないわけではない。確かに、一般的なレチノール製品に比べて高濃度(0.5%以上)のものや、処方が不十分な製品がレチノールの評判を落としてしまうことがあるが、正しい使用方法を守ればその恩恵を十分に受けることができる。「敏感肌でもレチノールは使用できます。ただし、低濃度から始めましょう。そしてより保湿効果の高いリッチな処方を選び、時間をかけて徐々に使用量を増やしていくのが理想的です」と、「CeraVe」のコンサルタントで皮膚科医のアレクシス・グラナイト博士はアドバイスする。 レチノールを初めて使用する際は、低濃度の製品、具体的には0.1%程度から始めるのが一般的。しかし、最近可決されたEUの規制により、顔に使用するレチノール製品は、濃度が0.3%以上のものが禁止されている。この規制は、今後英国でも採用される可能性が高いとされているが、グラナイト博士によると「現在、市販されているレチノールの濃度は、顔用では一般的に0.3%から1%の範囲です」とのこと。つまり、現在でも高濃度のレチノール製品が店頭で容易に入手可能であり注意を払う必要がある。 また、ボトルに記載された成分や使用量にも注意を払うことが重要だ。多くの製品は、肌の炎症を防ぐために、セラミドやヒアルロン酸などの強力な保湿・鎮静成分を巧みに配合し、スキンケア効果を高めている。こうした成分は、レチノールの刺激を和らげつつ、肌のバリア機能をサポートする。また、製品ラベルにはどの段階でどのくらいの量を使用するべきか、そして朝夜どちらの時間帯に適しているかが明確に記載されているため、正しい手順で使用することが大切だ。