【みやこS】武豊の代役〝ミッション〟完遂した鮫島克駿 サンライズジパングVに導いた〝プラス思考〟
[GⅢみやこステークス=2024年11月3日(日曜)3歳上、京都競馬場・ダート1800メートル] 3日の京都11Rで行われたGⅢみやこS(3歳上オープン、ダート1800メートル)は、3番人気のサンライズジパング(牡3・音無)が優勝。勝ち時計1分49秒7(重)。 メンバー唯一の3歳馬が古馬初対決で初のJRA重賞制覇。GⅠチャンピオンズカップ(12月1日=中京ダ1800メートル)の優先出走権を獲得した。 主戦の武豊がブリーダーズカップ騎乗のため不在。初コンビの鮫島駿に求められたのは、GⅠへの出走を可能とするだけの賞金加算。2着以内に入ることを至上命題とする難しいミッションを見事に1着という最高の結果で遂行してみせた。大外枠という厳しい条件にも道中は内に入れることなく、距離ロスを覚悟の上で外めを回る形。向正面から早めにポジションを押し上げると、直線もしぶとく伸びて古馬の強者たちを力でねじ伏せてみせた。 「跳びの大きな走りで器用さに欠けるという印象を持っていたので、大外枠も逆にプラスと捉えて騎乗しました。なるべく前の位置にはつけたいと考えていましたが、内に速い馬がいたので前半はそれほど無理をせず、向正面で押し上げていく形をとりました。3コーナーを逆手前で入ったので一旦は手応えが悪くなりましたが、直線ではまた力をふり絞って頑張ってくれました」と鮫島駿はプラン通りに運んで勝ち切ったことに喜びを隠さない。春は芝のクラシックに挑戦したが、秋はダートに切り替えて盛岡での交流重賞・不来方賞を制覇。古馬相手のJRA重賞も突破した3歳馬の将来は明るい。 「今朝はアメリカでフォーエバーヤングが頑張っていましたし、サンライズジパングも非常にレベルの高い世代の一頭だと思います。まだ課題を残す段階でこれだけの走りができるんですから、本当に将来の楽しみな馬。乗っている感じからは左回りの方が良さそうなので、もしチャンピオンズカップに挑戦するならチャンスがあると思います」と鮫島駿はGⅠの優先出走権をつかんだパートナーの今後の可能性にまで言及する。 同じくデルマソトガケのBC出走で不在だった音無調教師も週中には、ここを勝ってチャンピオンズカップへ進みたいという意向を伝えていただけに、来るGⅠでの有力候補に自らの実力で名乗りを上げたことは言うまでもない。
石川 吉行