福島県富岡町に美術館 茨城県の現代芸術家・宮島さん
日本を代表する現代美術家宮島達男さん(67)=茨城県=の作品を恒久的に収蔵する「《時の海―東北》美術館(仮称)」が福島県富岡町の沿岸部に建設され、2027(令和9)年の完成を見込んでいる。 宮島さんは発光ダイオード(LED)のデジタル数字カウンターを使い、生と死や命の表現を続けている。東日本大震災の記憶継承や犠牲者鎮魂のため、2015(平成27)年に「時の海―東北」プロジェクトを始めた。東北に生きる人、東北に思いを寄せる人ら3千人と協働して、収蔵する巨大アート作品の制作を進めている。LEDカウンター3千個が、浅く水を張った約22メートル×40メートルの長方形の設備の中で明滅する巨大アートとなる。 宮島さんは東北の太平洋沿岸への作品設置を目指して各地を巡る中、富岡町や建設地にほれ込んだ。浜通りへの美術館建設に向けた拠点として昨年7月、町内にサテライトオフィスを開設した。地元ではプロジェクトに賛同し、美術館建設実現を目指す町民有志の「美術館を応援する会」が発足している。
総面積は約3・4ヘクタールの予定で、建築家の田根剛さんとグラフィックデザイナーの長嶋りかこさんが建設に参加する。