「子持ち様」論争の背景にある潮流 職場の助けあい文化に搾取される社員
やる気が出ない、仕事がつまらない...そんなモヤモヤの原因は、もしかすると「職場の同僚のフォロー疲れ」にあるのかもしれません。どんどん余裕がなくなっていく職場でしんどさを軽くするヒントとは? 労働者メンタルヘルスの専門家である佐藤恵美さんによる書籍『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』から紹介します。 「管理職の罰ゲーム化」が加速する日本の職場...その原因とは? ※本稿は、佐藤恵美著『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
自分の仕事はあとまわしで、人のフォローに走りまわる毎日
「仕事にやる気が出ない」「仕事にやりがいが持てない」「仕事がどんどんつまらなくなっている」――。 最近、そんなふうに感じることはありませんか。 やりたい仕事だったはずなのに、かつては楽しみながらやっていたのに、まずまずの条件で入った会社なのに、今は、そう思えなくなっている。今の職場で、どうしても我慢できない大きな問題があるわけではない。今の仕事をやめるつもりもない。でも、なんとなく「このままでいいのか」というモヤモヤした思いがある。 私は労働者メンタルヘルスの専門家として多くの人の相談に乗ってきましたが、最近特に、そんなふうに感じている人が増えているような気がしています。なぜ、そんな気分になってしまうのでしょうか。 事情は人それぞれだと思いますが、あまり意識されていない理由の1つに、「職場の同僚のフォローに疲れてしまった」というのがあると私は考えています。 特に、この記事を読んでくださっているような、よく気がついて、見過ごせなくて、ついがんばりすぎてしまう人は要注意です。まわりから「面倒見がいい」と思われ、頼りにされるタイプの人です。 同僚が困っていたり、職場の業務がとまっていたりすると、自分の仕事をあとまわしにして、人のフォローに走りまわっていませんか。人員の補充が期待できないかぎられた人数の職場で、なんとか各方面に迷惑をかけないように、必死になっているのではないでしょうか。