猛暑の都市で命を守るには…白い屋根と太陽光パネルがカギを握る
経済負担も軽減
研究では両方のシナリオにおける経済への影響も試算しています。高反射の屋根を採用して249人の暑さ関連死を防げていた場合、ロンドンの経済的負担は6億1500万ポンド(2018年の平均為替レートで904億円)減少、太陽光パネルを設置して96人の命が救われていた場合の経済的負担の減少額は、2億3700万ポンド(同348億円)だったといいます。 反射率の高い塗装と太陽光パネルの設置で、暑さ関連死を約44%も防げて、電力需要を一定程度満たせて、経済的負担も減るのなら、規模の大小はともかく、やらない理由はない気がしますね。 イギリスでは、人口の83%が都市部に住んでいるといいます。世界全体では55%、日本は都市に人口の90%以上が集中しています 都市部における反射率の高い屋根や太陽光パネルの導入に加えて、緑化の促進や水辺の増加、非舗装化などを組み合わせれば、温暖化とヒートアイランド現象でビニールハウスのようになっていく都市環境から、人々の命と健康を守れるようになるのではないでしょうか。 Source: Simpson et al. 2024 / Nature Cities, University College London Reference: The Times, Statista
Kenji P. Miyajima