痛みの専門家「ペインクリニック」の医師が教える痛みの緩和・コントロール法
「痛み」に悩まされている方にとっては、「痛みをどう緩和するか」だけでなく「痛みとどう付き合っていくか」も大きな課題です。 そこで痛みを緩和、コントロールしながら生活するコツや注意点を、麻酔科医の坂本典昭先生(こすぎ坂本医院院長)にMedical DOC編集部が聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
そもそも「痛み」とは?
編集部: 体が痛くなるのはどうしてですか? 坂本先生: 私たちが「痛い」と感じるのにはさまざまな理由があります。 急に運動した翌日の筋肉痛や二日酔いのときの頭痛など、原因が比較的はっきりしていて、時間の経過とともに緩和されていく痛みや変形性関節症、神経痛など、痛みの要因ははっきりしていても、自然に緩和されることはまれで、何かしらの治療が必要とされる痛みのほか、さらには要因が特定できない痛みも多くあります。 編集部: 痛みの原因として多く見られるものを教えてください。 坂本先生: 例えば頭痛であれば、片頭痛や緊張型頭痛などが多く、首・肩の痛みは頚肩腕症候群、頚椎症、肩関節周囲炎、石灰性腱板炎など、腰の痛みであれば腰椎椎間関節症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など、膝の痛みであれば変形性膝関節症、半月板損傷、関節炎などが比較的多く見られる疾患です。 編集部: いろいろあるのですね。 坂本先生: そうですね。さらには、糖尿病に伴う「糖尿病性神経障害」や、がんに伴う「がん性疼痛」、骨折や手術後の疼痛が長く続く状態である「複合性局所疼痛症候群(CPRS)」など、何らかの疾患から2次的に引き起こされる痛みもありとても複雑です。 編集部: 痛みの原因は、どのように特定していくのですか? 坂本先生: 痛みの原因を特定するために必要な検査や評価を行い、少しずつ解明していきます。病歴の詳細な聴取から始まり、身体的評価、画像検査、神経学的評価などを行い、痛みの原因やメカニズムを明確にして、それぞれに適したアプローチをしていきます。