巨人から阪神移籍の畠 土下座覚悟 G打線に内角攻め予告 「生きるか死ぬかの戦い」新天地へ決意
現役ドラフトで巨人から阪神に移籍する畠世周投手(30)が16日、「生きるか死ぬかの戦い」と新天地に挑む心境を激白した。藤川監督から期待を感じる言葉や、1軍キャンプスタートの配慮に感謝。この日、川崎市のジャイアンツ球場では捕手を座らせ、変化球も交えながら約30球を投げた。例年にない超速始動だけではなく「秘密」の新球も用意。敵になる巨人ナインには、土下座覚悟の内角攻めを予告した。 スッキリと晴れた心を代弁するように、畠は青々とした装いで汗を流した。運命の現役ドラフトから1週間。着々と新天地に向かう準備を進めていた。藤川監督の「一番欲しかった選手」という言葉に発奮。例年よりハイペースな調整で、まずは2月1日に照準を定める。覚悟を激白した。 「望まれて行けるのは、すごくいいことだと思う。しっかりその期待に応えられるようにしたいです」。この日、底冷えするジャイアンツ球場でブルペンに入った。捕手を座らせカーブ、チェンジアップ、フォークなどを交ぜながら本格投球。「アピールしないといけない」と気を引き締める。 秘策も用意した。詳細は「秘密にさせてください」としたが、新球の習得にもチャレンジ中。前述の変化球に加えスライダー、カットボールを操るが「対巨人は丸裸の状態。一つでも違うものがあれば引き出しになる。使えたら使いたいので」と準備する。甲子園での通算成績は11試合の登板で3勝1敗4ホールド、防御率2・18の好成績。「投げにくいと思ったことがない」と頼もしい。 「自分は元々、フライピッチャー。東京ドームでホームランになる打球が、風の影響で抑えられる時もあると思う。そういうのを、うまく利用しながらやっていきたい」 心待ちにするのは甲子園の巨人戦登板。熱望するのは同期入団で、ドラフト1位だった吉川との対戦だ。移籍が決まり「じゃあね。行ってくるわ」と連絡を入れた。「すごい打者ばかり」の巨人打線だが「当てたらマジで土下座します」と内角勝負を予告する。「生きるか死ぬかの戦い。それくらい厳しくいく」。打倒・巨人に心を燃やす。 畠の実績、実力を高く評価する藤川監督は来季の中継ぎ起用と、1軍キャンプスタートを明言している。ただ、チャンスは約束される一方、ポジションが確約されたわけではないことは、十分に理解して練習に取り組んでいる。「他球団に行くのでアピールしないといけない。それなりの準備は必要かなと思っています」と畠。大竹、漆原と続く現役ドラフト組の復活ロード。新天地で輝く準備はできている。 ◆畠 世周(はたけ・せいしゅう)1994年5月31日生まれ、30歳。広島県出身。186センチ、82キロ。右投げ左打ち。投手。近大福山、近大を経て16年度ドラフト2位で巨人入団。プロ初登板初先発は17年7月6日・広島戦で勝敗なし。新人だった17年に6勝をマーク。21年には先発とリリーフで52試合登板。NPB通算119試合で19勝12敗2セーブ19ホールド、防御率3.21。