パテックフィリップ・ノーチラスは90万円→1600万円。次に流行る高級腕時計の“穴場”は「50万円台で買える宝石ブランド」の理由
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]― 腕時計投資家の斉藤由貴生です。 私は、2002年にパテックフィリップのノーチラスを約90万円で購入したのですが、その際購入したモデルの相場は、現在約1600万円となっています。 ⇒【画像】50万円台で買える宝石ブランドの高級腕時計 また、2017年には同じくパテックフィリップのゴールデンエリプスを約130万円で購入。そのモデルは、先日約370万円といった価格で売られていましたが、すぐに売り切れとなっていました。 ノーチラスとゴールデンエリプス、どちらにも共通するのが、私が買った時点では「誰も興味を示していなかった」という点であります。購入した際は、だれからも褒められることはなく、むしろ「なんでそれを買ったの?」などと言われるほど。しかし、そういったモデルが数年後には「多くの人にとって“良い”」と認知されるわけです。 こういった実績があるために、私はよく「次にどれが流行りそうか?」と聞かれます。 ということで今回は、その問に対する回答をしてみたいと思います。
人気が出るモデルの「良い要素」とは?
その時点で人気がなくても、後に人気が出る時計の要素として、最も重要なのは、そのモデル自体に「良い要素」があるという点です。 一見、簡単にも見えるのですが、「良い要素がある」ということをきちんと見極めることができる人は意外とあまり多くありません。 良い要素を持つ時計でも、意外と安いというモデルがあるのですが、そういった時計は「いつかは評価されるようになる」ことだと思います。 では、何が良い要素かというと、定価とブランド力などです。 例えばですが、2001年時点での定価が300万円の時計が今、100万円で売られていた場合、同じ時期に300万円だったロレックスが、今いくらなのか、などと見てみます。 仮に500万円となっていた場合、100万円の時計は「お得感満載」。しかし、かつての定価である300万円が「本当に機能していたかどうか」を知る必要があります。そこで重要になるのがブランド力です。 稀に、あえて定価を高く設定して、実勢価格を下げるという商品があります。例えば、昔の通販では、定価20万円の腕時計が、「1本買うともう1本ついてくる!19800円!」といった具合で売られていました。 2001年時点の定価が300万円だったとしても、それが聞いたこともないブランドの場合、実際にその定価で買う人がいたのかは怪しいといえます。しかし、名のあるブランドの腕時計であれば、定価は機能していたと考えられます。 ちなみに、2001年時点はロレックスといった有名ブランドでも、定価を下回る価格で並行輸入の新品が売られていました。しかし、その場合、「定価は50万円、新品実勢価格は約35万円」といった感じであるため、「定価20万円、実勢価格が2万円」といった通販の腕時計とは事情が異なります。