パテックフィリップ・ノーチラスは90万円→1600万円。次に流行る高級腕時計の“穴場”は「50万円台で買える宝石ブランド」の理由
高級腕時計の前提条件は“自社一貫生産”
2つ目のポイントとして、昔から「高級腕時計」として認知されているブランドや、古くからのマニュファクチュールというブランドは「強い」といえます。 例えばですが、高級品として名のあるブランドでも、それが腕時計以外の製品で有名。かつ、腕時計への参入は結構最近といった場合は「強くありません」。 また、マニュファクチュールというのは、自社一貫生産を指す言葉。つまり、自社製ムーブメントを搭載するブランドがそれに当たります。 ただ、2000年代後半から自社製ムーブメントを開発し、“売りの1つ”とするブランドが急増したため、評価ポイントとしては「古くからのマニュファクチュール」が重要であります。 ここで重要なのは、古くからのマニュファクチュールでないブランドだったとしても、昔から高級腕時計として認知されているブランドは「強い」という点です。 例えばですが、カルティエは、自社製ムーブメント搭載モデルを一般化したのは、2010年頃からでありますが、今、中古市場で高い評価となっているのは、「他社製ムーブメント」を搭載したモデルなのです。 カルティエは、腕時計専門ブランドではなく、いわゆる「宝飾ブランド」と分類できますが、カルティエの腕時計は昔から「高級腕時計」として認知。むしろ、腕時計を最初につくったメーカーともいわれているほどの老舗であります。 ですから市場では、「カルティエの自社製ムーブメント搭載モデル」よりも、「他社製ムーブメント搭載」のモデル(往年の名作)が評価されているのです。 近頃目立って評価されているのは、1990年代後半頃に現行品だったモデルですが、例えば、グレー文字盤のサントスガルベ(W20067D6)は、2020年頃まで中古相場が30万円を切っていたのにもかかわらず、値上がりした結果、現在では130万円以上といった相場に変貌しているのです。 サントスガルベには、現行モデルといえる「サントスドゥカルティエ」がありますが、自社製ムーブメントを搭載する現行モデルの中古相場は約85万円。他社製ムーブメントを搭載する昔のモデルのほうがはるかに高値となっているのです。