ダイエット目的で糖尿病治療薬を使用 豊田真由子が医薬品の適応外使用に警鐘 春から市販の内臓脂肪減少薬にも懸念
最近、糖尿病等の治療薬をダイエット目的で服用するケースが増えています。また、この春から、内臓脂肪を減少させる効果のある薬が、薬局で市販されることになり、出演している番組で、街の多くの方が「ぜひ試してみたい!」とおっしゃっているのを見て、危惧を覚えました。 【写真】12年間の糖質制限は間違いだった…3食しっかり食べて74kg→48kgに ダイエット革命家が発信する「“やせる情報”の闇」 なぜ、医薬品の適応外使用は望ましくないのか、そして、オンライン処方の『やせ薬』を巡る最近のトラブル、新たに市販される内臓脂肪減少薬の留意点などについて、最新の国の動向等も踏まえながら、掘り下げてみたいと思います。
医薬品は、使用対象が厳格に定められている
「医薬品」(※)は、疾病の治療や予防のために、医学的必要性に基づいて服用するもので、薬事承認で効能・効果、用法・用量等が厳格に決められています。そうした症状のない方が、別の目的で服用することは望ましくありません。どの薬にも、基本的には一定の副作用の可能性があり、そのリスクと、治療・予防効果というベネフィットを比較して、ベネフィットが大きい場合に、服用が選択されるものです。 (※)医薬品には、医療機関で医師に処方される「医療用医薬品」と、薬局・ドラッグストアで、医師の処方箋無しで購入できる「OTC医薬品」があり、本稿で述べる「リベルサス・オゼンピック等」は医療用医薬品、「アライ」はOTC医薬品です 例えば、下剤(瀉下薬)は、便秘の人が服用すると、排せつが促される(便秘が改善する)わけですが、便秘でない人がダイエット目的で下剤を服用すると、過剰な排せつが起こり、下痢になるなど、むしろ健康を害してしまうことになります。 「やせたい」という思いを持たれる方は多くいらっしゃる(私もです)わけですが、糖尿病や肥満症の治療薬を、そうした疾病を有しない人が、ダイエット目的で服用することは、単に「副作用が出るからやめた方がいい」のではなく、それ以前に、そもそも、「医薬品の適正な使用法」ではなく、さらに「医療機関がしていることだから」と信頼してのことが、実は、医療者としての法令やモラルに抵触する行為の可能性すらある、ということになります。 この辺りの認識が、報道でも少し不十分なのではないかと感じています。
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