母が死んだら働こうかな…亡父の貯金〈1億5,000万円〉で母と暮らす、〈年金7万円〉万年無職で65歳まで歳を重ねた姉への「驚愕のお小遣い額」…通帳残高に妹白目【FPが解説】
母の遺産は…100万円もない?
Aさんの母は92歳のとき、家で転倒し骨折。入院中、認知症が悪化し、退院後は施設に入居するも2ヵ月で亡くなりました。 姉と葬儀を執り行い、今後の相続の話になりました。1億5,000万円の父の預金は母が相続していました。あれから20年の月日が経ったので金額は減ってはいるものの、年金もあったことだし、5,000万円ぐらいは残っているだろうと姉に聞いてみることに。 母の通帳をみると、なんと残高は80万円。桁を間違えたのかと白目をむきましたが、どうやら本当のようです。 平均すると、月に80万円程度引き出していることがわかります。姉に問い詰めたところ、介護費用がかかった、施設の支払いが多かった、入院費が高額だったなどといいます。「1億5,000万円が80万円になるわけがない。無職の2人暮らしで月80万円も使うなんて、度が過ぎている」とAさんは怒りを露わにします。 過去の通帳をみると、月3万円からはじまったお小遣いは5万円、10万円と雪だるま式に増えていき、時にはボーナスのような100万円の引き出しまでありました。 さらに家の修繕、リフォーム代の名目で数百万単位を引き出しているときもあります。実家に訪れたときにリフォームした話を聞いたり、実際に見たりしましたが、明らかに回数と金額が相応ではないと感じました。 「ずっと介護してきたから当然だ」と知らん顔の姉にAさんは絶句。少なく見積もっても姉だけで5,000万円以上は使っています。65歳になった姉は「あまり働いていなかったから、自分の年金は月7万円ぐらいで少ない」とぼやいていました。 相続の話をしてからというもの、姉には会っていないというAさん。これから母の遺産について争うつもりのようです。母の生前にもう少し頻繁に訪れ、公正証書遺言でも作成してもらえばよかったと後悔しています。 認知症の母親の介護という名目で、遺産を私的に流用していた姉の行動は、Aさんに深い悲しみと怒りをもたらしました。家族だからこそ、このような裏切りは深く心に傷を残します。Aさんの事例を通して、私たちは相続の重要性、そして家族間のコミュニケーションの大切さを改めて認識する必要があるでしょう。相続トラブルを避けるためにも、専門家への相談をお勧めします。また、生前対策としては、遺言の作成や家族間での話し合いをしておくことも重要です。 三藤 桂子 社会保険労務士法人エニシアFP 代表
三藤 桂子
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