トランプ効果で為替取引量が増加、今後1年活況を予想-JPモルガン
(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースによると、ドナルド・トランプ氏の大統領返り咲きに伴い、為替取引量が増加している。トランプ氏の通商政策により外国為替市場への注目が高まっていることが背景にあるという。
同社の通貨・新興市場トレーディング責任者、スティーブン・ジェフリーズ氏がインタビューで明らかにした。世界260人のトレーダーで構成される同氏のチームでは、取引量が米大統領選以降に高止まりしており、今後1年は活況が続くと予想している。
「世界貿易の力学の変化について言うと、為替は明らかに主要テーマの1つだ」とジェフリーズ氏は指摘。「為替市場への関心が高まれば、取引量も増加する」と続けた。
トランプ氏が掲げる減税と関税引き上げは、世界各地で資産を動かす原動力となっており、大統領に正式に就任する来年も資金フローを左右する見通しだ。トランプ氏の政策によって米国と他の主要経済国との乖離(かいり)が広がれば、金利の動向に影響を与え、市場の大幅な変動を招く可能性がある。
ヘッジファンドはすでに、為替相場の変動が大きくなった場合に利益が出るオプション契約に殺到する一方、ストラテジストは予測を大幅に修正している。金融分析会社コーリション・グリニッチでは、主要10通貨の為替取引関連収入が2年連続で増加すると予想している。
ジェフリーズ氏は「ここ数年で多くの為替トレーディングデスクが縮小された。だが、当社は競合他社と比較しても一貫して人員を維持してきた」としとし、同氏のチームは取引量の増加に十分対応できるとして自信を示した。
またアルゴリズムを駆使した自動売買ファンドの成長についても注視しているとし、これらのファンドの売買パターンを追跡することが、今後の為替相場の動きを予測する上で重要になっていると述べた。
原題:JPMorgan’s Head of Currency Trading Sees Trump Boosting Volumes(抜粋)
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Alice Atkins