アメリカ屈指の老舗「ペンドルトン」はなぜ、100年経っても、古さを感じさせず、普遍的でいられるのか
失われゆくアメリカの良心の温もり
大量生産・大量消費を礼賛する資本主義の国であり、企業間の買収・合併も日常茶飯事なビジネス大国でもあるアメリカ。そんな国にあってペンドルトンは、160年にわたってファミリー企業としての体制を維持。一部ながらも国内生産にこだわり続け、生産量やラインナップを闇雲に拡大させることもなく、カスタマーと正しく向き合い、製品のクオリティ維持に努めてきた。そうした現代のアメリカが失いかけているものの価値を理解し、企業理念とし守り続けてきたからこそ、ペンドルトンは100年愛されるウールシャツを生み出し、幾世代にもわたる歴史を歩んでこられたのである。 自然豊かなオレゴンの大地にしっかりと足をつけ、血の通ったビジネスを直向きに紡ぎ続けてきたペンドルトン。そのウールシャツに袖を通すと、強く正しく、そして優しく温かい、“アメリカの良心”を感じるに違いない。
TEXT=竹石安宏 EDIT=大内康行