レバノン、新大統領に米国が支持する候補選出-イランの影響力低下か
(ブルームバーグ): レバノン議会は9日、同国軍司令官のジョセフ・アウン氏を大統領に選出した。同氏は米国が支持していた候補者で、この地域におけるイランの影響力が弱まりつつあることがうかがえる。
アウン氏は議員票の3分の2余りを獲得。6年間の任期を開始することになり、2年余りに及んだ大統領の空席に終止符が打たれる。アウン氏の選出は同国が西側寄りに移行したことも示す。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは、イスラエルとの昨年の紛争で弱体化した。
レバノンのドル建て国債は上げ幅を拡大。政情安定化の兆しを投資家が歓迎し、同国債は過去数週間に大きく値上がりしている。2020年には、レバノン政府は国債のデフォルト(債務不履行)に陥っていた。
10日に61歳になるアウン氏は、2017年から軍を率いてきた。イスラエルとヒズボラの不安定な停戦を維持する一方で、経済危機の解決に向け改革に取り組むという困難な責務を担うことになる。
原題:Lebanon Picks US-Backed Aoun as President in Shift From Iran (2)(抜粋)
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Omar El Chmouri