利益の80%をアフリカに還元し、現地の社会課題解決に貢献するファッションブランド「SHIFT80」とは?
余剰利益の80%をアフリカの現地に還元し、孤児や貧困児童、困難な状況にある女性をサポートしているファッションブランド「SHIFT80」代表の坂田 ミギーさんへのインタビュー後編です。
ケニアの人々の才能を活かし、現地の社会問題を解決へ導く
関連記事 ケニアの巨大スラム街キベラから学んだ新たな価値観と助け合いの姿勢。「SHIFT80」代表・坂田 ミギーさんに聞く (https://sdgs.yahoo.co.jp/featured/492.html) ── 「SHIFT80」を立ち上げられた経緯について教えてください。
キベラには、経済的な理由で生理用品を手に入れられず、いじめを受け、学校に通えなくなる少女がたくさんいます。この課題に向き合い、2018年から現地の少女たちに生理用品の支援をおこなってきました。このプロジェクトでキベラを訪問していた矢先、2020年のパンデミックの影響で現地の人々は仕事を失い、生活が困難な状況に。この問題に直面したことで、彼らの才能を活かして利益を生み出し、得られた利益を彼らに還元するビジネスをつくろうと考えたんです。様々な社会問題を抱えるキベラを支援し続けるため、2022年2月に「SHIFT80」を立ち上げました。
── 様々な選択肢がある中で、なぜアパレルを選ばれたのでしょうか? きっかけは、リリアンという女性との出会いでした。彼女はキベラでマゴソスクールという学校を運営していて、工房で自らデザインした洋服を製作し、子どもたちに着せて年に2回ファッションショーを開催しています。彼女がつくる洋服は質が高く、私もよく彼女に洋服をオーダーしていました。だからこそ、彼女と一緒に服づくりをするのが良いと思ったんです。アフリカならではの個性的な柄を身に付けると、自然と元気になれますね。
古着のアップサイクルを通じて、明るい未来へ
── 何度も現地を訪れている坂田さんから見た、アフリカの現状や問題を教えてください。 現在、アフリカは古着の最終集積地となっています。着用可能な洋服は現地で一着数十~数百円で販売されるので、お洒落を楽しんでいる人が多い印象です。一方で着用できないものは捨てられるか、地層のように積み重なって放置されており、大きな環境問題となっています。また、古着が安すぎるために、現地でつくられた新品の洋服が売れず、繊維産業が深刻な打撃を受けているという問題も発生しています。