池袋西武とヨドバシ「売り場折半」の波紋と懐事情、北側にヨドバシ出店、西武の集客力に影響は?
池袋駅東口の景色が大きく変わろうとしている。 家電量販大手のヨドバシホールディングス(HD)は6月21日、池袋駅東口に化粧品や美容家電などを取り扱う新業態「Yodobloom(ヨドブルーム)」をオープンした。ここはもともと西武池袋本店(池袋西武)1階の免税カウンターがあった場所。西武池袋駅の改札前に位置し、まさに池袋の玄関口といえる。 【画像】池袋の玄関口にオープンしたヨドバシの美容新業態「ヨドブルーム」 2023年9月にセブン&アイHDは、大手百貨店のそごう・西武をアメリカの投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却した。フォートレスはヨドバシHDと組み、池袋西武へのヨドバシカメラ出店を進めている 。そごう・西武が所有していた池袋西武の土地は、約3000億円でヨドバシHDが取得した。
■売り場、ショップ数とも半減 「完璧な百貨店の形態はやはり難しく、いろんなものを寄せ集めた売り場構成という印象が拭えない」。池袋西武のリニューアル案を見たそごう・西武の関係者は、そう評価する。 6月10日、そごう・西武は2025年夏のグランドリニューアルオープンに向けた池袋西武の新しい売り場計画を発表した。池袋西武全体の売り場面積は約8万8000㎡だが、これがリニューアル後は約4万8000㎡と半減する。現在、池袋西武内のショップ数は745店だが、改装後は約380ショップとなる。
売り場構成は「近年お客さまからもっとも支持されている」(そごう・西武のリリース)ラグジュアリー、コスメ、デパ地下を中心に強化する。ラグジュアリーとコスメは各およそ60ブランドを展開予定で、売り場面積はそれぞれ現状より約1.3倍、約1.7倍広げるという。 デパ地下には「西武池袋本店のパワーコンテンツを集積」(同リリース)し、新ブランドを含む約180ショップ(改装前は約200)を展開する。 池袋西武の土地などがヨドバシHDの所有になったことで、池袋西武自体も家賃を支払って出店する1つの「テナント」となる。今までは池袋駅の改札付近を中心に南北に延びる店構えだったが、駅利用の利便性が高い北側には家電量販のヨドバシカメラの大型店が入居する予定だ。百貨店として集客力を維持できるかが要となる。