池袋西武とヨドバシ「売り場折半」の波紋と懐事情、北側にヨドバシ出店、西武の集客力に影響は?
もともと池袋西武は、外商と呼ばれる上得意客向けの販売に強みを持っていた。外商は基本的に百貨店の店舗で販売する商品を紹介することが多いが、展開商品の偏りは販売力にも影響する。人材面でも、最近は池袋西武の外商員が他の百貨店に移ったり、引き抜かれたりしているという。 もっとも雇用や営業面についての懸念は、フォートレスへの株式譲渡前から、そごう・西武の労働組合などが問題提起してきた。「出向を受け入れるといっても、百貨店業務から仕事の内容や質は大きく変わる。同じ額面の給料を渡せばいいという話ではなく、会社は労働へのデリカシーを持たなければならない」(そごう・西武関係者)。
足元の百貨店業界はインバウンドを中心に、高額品などの販売が好調そのものだ。そごう・西武の「新しい百貨店」もその流れに乗ることができるか、来年のリニューアルオープンが注目される。
山﨑 理子 :東洋経済 記者