日本一厳しい警察学校『教場』のリアル 高低差ビル11階分の急勾配を走る地獄の訓練も それぞれの思いを胸に「耐える」
寮生活にも、厳しい規律があります。 【富田優稀巡査(18歳)】「教科書類も順番が決まっていて、分厚いのが手前に来るようにしています。靴も並べ方が決まっていて、かかとを揃えるとかも決まっています」 Q.娯楽に使えるものは? 【富田優稀巡査(18歳)】「ないですね。勉強道具がいっぱい入っています」
小学校の頃から、警察官になることが夢だった富田さん。 【富田優稀巡査(18歳)】「(小学校の)卒業式に自分の将来の夢をいう場面があって、『警察官になって市民を守ります』とみんなの前で公表しました。周りの友達は遊んでいたり、髪の毛を染めたりしてて、楽しそうなんですけど。これから自分が現場に出て、一つでも事案がなくなったり、解決してくれたら、仕事をしている甲斐があるなって思います」
■現場では理不尽な事も…「それもここで学んでほしい」
学生たちを見守るのがクラス担任の別所教官。厳しく、時に励ましながら、10カ月間かけて警察官に育て上げます。 【教官 別所裕之警部補】「みんなは10カ月後、一人前になって出る義務がある。そのために必要な知識・体力をつける義務がある。外に出たら理不尽な事もたくさんあるし、きれい事だけじゃ済まない現場もたくさんあると思うので、ここ(教場)でそれも含めて学んでほしいと思いますね」
【教官】「盾正面に、右前に!構え」 構えの足を間違えてしまった浦郷さん。 【教官】「おい!何してるんや、こら!お前もう一回やれ!浦郷のみ」 「盾、どっちから回しとんや!」 【浦郷恵輔巡査(28歳)】「右です!」 【教官】「どっちから回すんや。正しいのはどっちや!」 【浦郷恵輔巡査(28歳)】「左です!」 【教官】「分かっててやってるんか!分からんとやってるんか!」 【浦郷恵輔巡査(28歳)】「分からないでやっていました!」 【教官】「集中できないのなら出ろ!」 【浦郷恵輔巡査(28歳)】「いえ!もう一度行かせてください!」 激しい雨が降る中、浦郷さんにひときわ厳しい叱責が飛んでいました。
【浦郷恵輔巡査(28歳)】「何でここにおるんやろうって思う時もたまにあったり。頭ではできているんですけど、行動に移して、完璧にできるっていうのが、できなかったりして。家族もありきでここにいるので、どれだけしんどくても耐えて、『(警察官に)絶対なる』っていう覚悟はちょっとずつ固まってきたかなって思いますね」 おのれの限界を超え、一人前の警察官になれるのか…。険しい道のりはまだまだ続きます。 (関西テレビ「newsランナー」2024年7月18日放送)