〝海を翔ぶ〟サシバ写真展始まる 与名さん、奄美空港ロビー 鹿児島県
宇検村生勝出身の野鳥写真家、与名正三さん(73)の写真展「サシバ 瑠璃(るり)色の海へ帰る」(サシバ愛護会関西~奄美ネットワーク主催)が1日から、鹿児島県奄美市笠利町の奄美空港1階ロビーで始まった。訪れた人は、謎の多いサシバの生態の一端に触れ、驚きの表情で写真を見つめていた。 写真展は、サシバが繁殖地から奄美大島に渡ってくるこの時期に毎年開いており、2年ぶり5回目。2023年春から24年秋にかけて奄美大島各地で撮影した40点を展示している。 タイトルにある「瑠璃色の海」は、奄美市戸口集落周辺の海辺で暮らし、コバルトブル―の海を背景に飛翔するサシバの勇壮な姿を岬の上から撮ったもの。 「岬を飛び立ち海上を飛翔する成鳥」「波しぶきのたつ海面を滑翔する成鳥」をはじめ、セミをくわえて海面を飛ぶ姿など、めったに目にすることのできない一瞬を切り取った作品ばかり。 与名さんは「観光客にとってサシバは里山の鳥だが、奄美大島では、あらゆる環境に適応し生きている。海岸沿いではフナムシやカニをとって食べる。写真を通して、この地に力強く息づく野生を感じ取ってほしい」と話した。 2025年10月に開催予定の「国際サシバサミット宇検村」への思いも語った。「サシバの生息密度は、宇検村が極めて高い。来年のサミット開催に向け機運を盛り上げていきたい。15年から約10年、サシバ研究に注力してきたが、サミットを機にサシバに興味を持つ人が増え、新たな研究者が現れることに期待している」と話した。 午前8時~午後7時。25年1月10日まで。会場は到着ロビー奥の情報発信コーナー。