阪神の育成右腕ホセ・ベタンセスが自己最速161キロでフィーバー安芸に衝撃 藤川球児監督は支配下登録「十分ある」
来季は助っ人!? 阪神は3日、高知・安芸での秋季キャンプでは5年ぶりとなる紅白戦を行った。紅組5番手で登板した育成契約のホセ・ベタンセス投手(25)は、自己最速の161キロをマークして1回無失点。藤川球児新監督(44)は支配下登録について「可能性は十分にあります」とした。球団本部付スペシャルアシスタント(SA)時代にドミニカ共和国での入団テストで見初めた秘蔵っ子が、投手王国にさらに厚みを加える。 【写真】ベンチで談笑する阪神・岡田彰布前監督と藤川球児新監督 6300人の熱気に満ちた球場に球速が表示されるたび、どよめきと歓声が交錯した。キラキラと輝く土佐湾を背に重たいミット音を響かせたベタンセスの力投に、藤川新監督が期待を膨らませた。 「球団とファームの投手コーチがうまく、徐々に徐々に育ててきて、チャンスがありそうな気がしますね。秋季練習から福島選手も見ていますけど、育成選手からの引き上げが大事になる。可能性は十分にあります」 2日までの荒天から一転した陽気に包まれる中、藤川体制で初の実戦となる紅白戦を実施。ホームベース後方からネット越しに見守った指揮官の目に留まったのは、0-0の六回から紅組5番手で登板したベタンセスだ。初球は157キロ直球で福島を左飛に打ち取る。続く中野に四球、前川は死球で一、二塁としたが、最後は小幡を自己最速を1キロ更新する161キロで投ゴロ併殺に片付けた。 「いい状態で投げられた。ずっと練習してきたんで、(自己最速は)あんまりびっくりはしていません」 今季から育成契約で加入した右腕は藤川監督の秘蔵っ子だ。今年1月、ドミニカ共和国で球団史上初めて開催した入団テストにSAとして立ち会った。あごひげがトレードマークで183センチ、102キロという筋骨隆々の肉体から最速160キロを投じる姿に可能性を感じた。今季はウエスタン戦で25試合に登板し、1勝2敗、防御率4・18。「最後のセカンドへのスローイングも当初、ドミニカ(共和国)で見たときはできなかった。それもできるようになってきて、成長を感じる一瞬だった。組織として進んできている」と目を細めた。ドミニカ共和国で育ち、日本球界で磨かれた原石が評価をぐんと上げた。 この日は近年では最多となる6300人が来場。「高知県にあんなボールを投げる人、いないでしょ。安芸市最速かもしれませんね」と、ファンを沸かせた剛速球に頬を緩めた。さらに「他の投手との兼ね合いもありますから。これだけ投手力がよくなりつつあるので、投手コーチも頭を悩ませるだろう」。近い将来にブルペンの一角を担う助っ人としての活躍を思い描いた。