金光大阪・古川、センバツで自己最速144キロ コーチは元中日投手
第94回選抜高校野球大会は第3日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、13年ぶり3回目出場の金光大阪が、昨秋の東海王者で38年ぶり2回目出場の日大三島(静岡)を4―0で降した。金光大阪は右腕・古川温生(3年)の力投で、夏を含めた甲子園初勝利を飾った。 【甲子園に春の日差し】日大三島 vs 金光大阪 ピンチで一冬の成長が光った。 金光大阪のエース古川は五回、失策や内野安打などで2死満塁とされ、日大三島の4番・松永を迎えた。そこで持ち前の緩急が生きる。真ん中やや外めの直球を中心に組み立てて追い込むと、最後は緩い変化球をほぼ同じコースに投げ込み、空振り三振。大きくガッツポーズを決めた。「自分たちが引いたら勝負できない。大胆に攻めにいけた」と満足そうに話す。 攻めの投球を可能にしたのは、冬にこなした基礎体力の強化。OBで昨年から特別コーチを務める吉見一起さん(元中日)のアドバイスも受けながら、下半身の筋力を中心に鍛え直すことでフォームを安定させた。「狙われた球でも空振りを取るのが理想」と語る。 成果は遺憾なく発揮された。序盤こそ上体がつっこみ制球が乱れる場面もあったが、徐々に修正。九回2死一塁からは自己最速を4キロ更新する144キロをマークし、最後は外角低めの変化球で空振り三振に切って取った。「144キロが出るとは思わなかった」と自身の成長に驚きの笑みがこぼれた。 終わってみれば4安打完封。試合前日に吉見さんから横井監督に届いたメールには古川に対して「心配するな。君はいい投手だ」とあったという。エースはその言葉通りの投球で、大先輩もなしえなかった甲子園での初勝利をチームにもたらした。【木村敦彦】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。