18歳、19歳の新成人が直面する消費者トラブルにはどんなものがある? その2 具体的な事例
具体的事例から考えるトラブルの要因
これらの具体的な事例では、若者の知識不足や勧誘に流されやすいことが悪質な業者や相手に付け込まれた結果、消費者トラブルに直面しています。ケースはさまざまですが、そのなかで若者が消費者トラブルに巻き込まれる要因として以下が共通します。 ●1. 契約や金融に関する知識の不足 契約の内容を理解せずに署名したり、うまい話にだまされたりして高額な契約をしてしまうことがあります。これらは契約内容をきちんと確認・把握していなかったり、契約に関する知識不足だったりすることが原因となっています。 また、お金がないと相手に伝えても、借金やクレジットカードでの分割払いを勧めてくるという手口は、金融知識の乏しさに付け込んでいるといえます。これは若者だけでなく、年齢に限らず同じことがいえるでしょう。 ●2. 契約行為および人生経験の不足 若者の場合は知識不足のほかに、経験の不足によって勧誘を断りにくい状況に置かれやすいことも、トラブルに巻き込まれる大きな要因です。 これは契約行為自体に関する経験だけではなく、人生経験がまだ浅いことから人を信じやすく、だまされやすい、または疑わしいと思っても抵抗しにくい弱みを利用して、若者に不利な契約をさせる悪質な手口といえます。 また、勧誘者が高級なブランド品を身に着けている、豪華なオフィスで勧誘を行うなど、雰囲気で契約を断りにくくするのも一つの手法です。 無料エステのあとで別室に連れ込まれて高額の契約を強要され、後日、スマホを勝手に操作してキャッシングで支払いをされた事例などは、疑わしいと思っても、その場の雰囲気に圧倒されてNOといえない若者の弱みを突いた悪質な行為です。
まとめ
ここで取り上げた事例からは、新成人となったばかりの若者は知識や経験の不足だけでなく、悪意を持った相手から見れば圧力をかけやすい、簡単にだましやすいと思われていることが、消費者トラブルに巻き込まれる大きな要因といえます。 そのため、一定期間であれば契約を解除できるクーリングオフやなど、契約や消費者保護についての知識を身に付けるほか、少しでも不審に思ったときは、やはり家族や信頼できる人に相談することが大事です。また、トラブルに遭ったときの相談先として消費生活センター(消費者ホットライン)があることも覚えておきましょう。 出典 政府広報オンライン 18歳、19歳の皆さん、ご用心!成人になると増える、こんな消費者トラブル ~18歳から大人~ 消費者庁 消費者ホットライン 執筆者:浦上登 サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部