障害がある人もない人も… カフェに込めた親たちの願い トイレ休憩や医療的ケアができるスペース 注入食・ケトン食も提供 家族そろって食事も可能に
◇ ◇ 「コア」のオープンを待ち望む1人、山田いつかさんです。長女のにこさん(10)は広島市立広島特別支援学校の小学部5年生。にこさんには先天的な遺伝子疾患があります。そのため「ケトン食」と呼ばれる食事療法をしています。 「ケトン食」とは糖質を減らして脂肪を増やす特別な食事です。にこさんが2歳のときからずっと、食事やおやつは山田さん手作りの「ケトン食」です。 9年間「ケトン食」を作る山田いつかさん 「これがいつも置いているクッキーです。つまんで自分が口で運べるというサイズを何回も試行錯誤して…」 食材の量は、厳密な計算式に基づいて1つ1つエクセル表で算出します。 調理に大きな負担がかかるこの「ケトン食」が「コア」で提供されることになったのです。これまで外食や泊まりの旅行ができなかったという山田さん。「コア」なら家族で外食ができることに、心強さを感じています。 山田いつかさん 「ケトン食やペースト食などの子どもたちは、お出かけしてもお母さんが朝からその子のための食事を準備して、というのが必要になってくるけれど、そういった負担のない場所ができるということが、すごくうれしい」 ■「コア」で広がる世界 誰もが自然に集えるように にこさんは放課後、「コア」の3階にある「重症児デイサービス・あべに~る」を利用しています。 スタッフ 「ニコさんいただきます。はい、いただきます」 この日は特別支援学校が休校のため、朝から「あべに~る」へ。昼食は、山田さん手作りの「ケトン食」のお弁当です。 働くことを諦めていた山田さんですが、「コア」ができたらスタッフとして「ケトン食」作りに関わりたいと考えています。 山田いつかさん 「今までの私の知識、経験を使って新しいメニューを開発したりとか。私もケトン食のレシピ本を出したいという最終的な夢があるので、夢につながればうれしいと思っています」 ◇ ◇ この日、村尾さんの自宅に集まったのは、障害のある子どもを持つ母親たちです。外出や子育ての大変さを共有してきた仲間たちー。「コア」は障害がある人もない人も、心地良く過ごせる場所にしたいと話します。
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