2024-25年秋冬ロンドン海外バイヤー評 “クワイエット・ラグジュアリー”から脱却
ハーヴェイ・ニコルズ(HARVEY NICHOLS)
ローラ・ラーバレスティア(Laura Larbalestier)=ファッション・ディレクター
注目したいトレンド:英国らしさを感じるインスピレーション源。「アーデム」のマリア・カラス、「16アーリントン」のモンスターとマドンナ(Madonna)、「シモーン ロシャ」のビクトリア女王の喪服、「ジェイ ダブリュー アンダーソン」の比喩や型への探求。
マストハブなアイテム:「シモーン ロシャ」のバラクラバ、「アーデム」のロンググローブ、「JW アンダーソン」のトレンチトップ。
ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)
ジョディ・カーン(Jodi Kahn)=ラグジュアリーファッション部門バイス・プレジデント
良かったブランド:「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のクチュールを発表したばかりの「シモーン ロシャ」。コレクションのメーンテーマにあった彫刻のようなシルエットを生み出すコルセットには、テーラリングの技術が存分に発揮され、彼女の新境地が伺えた。シアーで美しい装飾が施されたドレスやスカートは、テーラリングとは対照的にソフトな印象だった。
「アーデム」のグラマラスな色彩やテクスチャー、シルエットのバリエーションには、また感心した。目を見張るようなフェザーコートから、宝石で縁取られたイブニングパジャマまで、どのアイテムもタイムレスな魅力に溢れていた。
注目したいトレンド:ロンドンのランウエイでさまざまな色彩を見ることができて、私たちはとてもうれしかった。「バーバリー」や「モリー ゴダード」「アーデム」「JW アンダーソン」による深い赤のガーネットやバーガンディ、明るい黄緑のシャルトルーズグリーンの豊かな色合い。「シモーン ロシャ」や「16アーリントン」では、チュールやシフォン、ニットといった透け感のある素材の使い方が目を引いた。全体的には、フェザーやファーが立体感を加え、ワインレッドは引き続きキーカラーになりそうだ。