【日本市況】債券下落、日銀早期利上げと総裁講演を警戒-株式は続落
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、ウクライナ軍が英国製のミサイルを発射したことでリスクオフ的な動きが出ているほか、エヌビディア株や日本株が下げていることで円買いが進んだと分析。ドルが買われ過ぎた反動もあると言う。ただ、「米利下げ期待は高まってこないため、ここからさらにドルを売る動きも出にくい」と話した。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長も、流動性が低下する中、一部資金フローの動きで円が買われているとの見方を示していた。
株式
東京株式相場は続落し、日経平均株価は一時400円以上下げた。人工知能(AI)向け半導体の米エヌビディアの売上高見通しが市場予想の上限に届かず、株価が時間外取引で下落したほか、為替の円高推移が嫌気された。
アドバンテストなど半導体製造装置株の一角が下げ、三菱重工業など機械株、日立製作所など電機株といった輸出セクターが軟調だ。ニューヨーク原油先物の下落を材料に鉱業株も安い。
半面、フジクラなど電線を中心に非鉄金属株は高く、金利上昇を背景に銀行株も堅調。電線銘柄は、エヌビディアのデータセンター部門が四半期としては過去最高の収益を記録したことが材料視された。東証33業種は28業種が安く、5業種が高い。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、エヌビディアの株価下落で市場心理は落ち込んでいると指摘。しかし、決算の結果自体はネガティブなものではなく、半導体関連株の下げは限定的になるだろうとの見方を示した。
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--取材協力:日高正裕、酒井大輔、田村康剛.
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Saburo Funabiki, Hidenori Yamanaka, Alice French