13カ月ぶりの試合に向けて計量クリアした元IBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一（左）と対戦相手のアラン・アルベルカ

　プロボクシング元IBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一（36＝帝拳）が約13カ月ぶりにリング復帰する。5日、東京・後楽園ホールで開催されるWHO，S NEXT DYNAMIC GLOVE on U－NEXTのセミファイナルに登場。フィリピン同級7位アラン・アルベルカ（27＝フィリピン）との132ポンド（約59・87キロ）契約体重8回戦に臨む。4日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、59・7キロでクリアし「今回の試合は大切だと思う」と久しぶりの試合に向けて気持ちを落ち着かせた。 　昨年9月、マービン・エスクエルド（フィリピン）に判定勝ちして以来の試合となる。尾川は「前回のような展開になってしまったら、そのまま（キャリアも）終わっていくと感じる。相手がバッチリ向き合ってくれて、自分の中のタイミングで打てていければ、もっと続けていける。36歳ですけれど、世界を目指せると思う」と言葉に力を込めた。 　22年6月、英カーディフでジョー・コルディナ（英国）に2回KO負け喫してIBF世界スーパーフェザー級王座から陥落。同年8月に右肩を手術し、再起を決めた。再起から2連勝中の尾川は「英国であんな倒され方しても、もう1度やろうと決めた。この13カ月間、世界返り咲きのために耐えたと言ってもいい。世界王者になったから普通に働いてという選択もあったかもしれないけど、苦しい道を選んで耐えて耐えてチャンスをもらった。次への思いがある。これで世界王者になれなかったら、何のためにやってきたんだ、となる。そこの気持ちはしっかりある」とうなずいた。 　現在、世界ランキングではWBO7位、WBC12位に入っている。アルベルカ戦に本人も納得の快勝劇をみせてはずみをつけ、再び世界戦線に戻ることしか考えていない。そして長谷川穗積の持つ35歳9カ月という国内最年長の世界王座奪取記録の更新が頭にある。尾川は「記録で、名前を残せる。なかなか抜ける記録ではないが、そのチャンスにいるのが自分自身。運命ではないですけど、なるべくしてなっている。この最年長記録はなるべくしてなると思っている」と気を引き締めながら、13カ月ぶりリングに集中していた。